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2010年 10月 09日 土曜日

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六甲山摩耶ケーブルの廃止が明らかになった。産業振興局から都市整備公社に管理運営をしてもらっていたが、経営が行き詰まり… 廃止の方針が打ち出されたのだ。判明したのは、10月8日の産業振興局の質疑で、我が会派から質疑に立った垂水区選出の森下やす子議員の質問で。

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森下議員は
「神戸市の代表的な観光資源であり、色々なイベントなどで頑張れないか。廃止の決定が早すぎるのではないか」
と質した。当局は
「故障や安全を確保する上においても、困難をきたしている。運営経費も1億円も掛かっている。これでは財政を保つことができない」
と答弁した。

そもそも摩耶ケーブルは、阪神電鉄の子会社、六甲摩耶鉄道が所有していた。阪神大震災で被災し休止していたところを、市の都市整備公社が六甲摩耶鉄道から無償譲渡をうけ、神戸市が運営してきた。費用をかけて平成13年3月に再開されたものの、赤字続き。民間の手に渡っていた終点の摩耶観光ホテルも廃屋となっていて、危険な状況にあるそうだ。これでは、廃止せざるを得ないかも知れない。

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加えて、ロープウェイも廃止する考えのようだ。ケーブルは昭和30年に日立製作所で建造され、活躍してきた。小学校の校外学習などで盛んに利用され、実は私もかつて、デートの場として使った淡い思い出がある。日立製作所がケーブル製作から撤退したため、部品もない状況で、町工場に設計図を持ち込んで作ってもらっても「責任は持てない」と通告を受けている。

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ケーブルカーの歴史は長く、日本でも3番目の古さ。大正14年1月6日に摩耶鋼索鉄道として高尾駅─摩耶駅間で開通して以来、災害や戦争で運休と再開を繰り返した苦難の歩みだった。

当局の理由はよく分かるものの、森下議員は
「他の行政行為でももっと大きな赤字を続けている。神戸の観光資源として、また市民の思いのために、何か施策はないのか。例えば、歴史的な産物として予算が取れないか…」
熱い思いが伝わってきた質疑だった。
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