Skip to main content.

2010年 10月 05日 火曜日

市会議員にも発表された、王子動物園のジャイアントパンダ興興の死亡原因。中国野生動物保護協会から派遣された専門家グループと日本の専門家グループが共同調査した結果… 既に報じられてるように、嘔吐した胃の内容物が誤って肺に入っての窒息死だった。2002年12月9日に来園した興興は、9月9日に15歳のメス「坦坦(タンタン)」との間で人工授精を行うため精子を採取。その麻酔からの回復中に死亡した。原因は、死体解剖でわかった。

今後は、日中双方とも「ジャイアントパンダ日中共同研究」の協議書に基づいて進められる。まず、自然死ではないので、損失補償として50万ドル(約4,150万円)を支払う。神戸市は保険に入っていて、その保険から支払われるが、保険料は1,000万円くらいらしい。中国側の3人の研究者の旅費と2週間の宿泊費も神戸市が支払うそうで、かなりの金額になる。

王子動物園の職員のご苦労は大変なものだと、同情する。中国側は、パンダ外交といわれるしたたかさで交渉にあたってくる。職員は子供たちや市民のために、喜ばれる動物園とするべく、耐えなくてはならない。何しろ、世界的にも貴重な動物だけに、その苦労は計り知れない。市民は、王子動物園が真に市民の誇りとなる動物園になるよう議論するべきで、職員任せにせず、市民も出せる知恵があるのではないだろうか。日本中…いや、世界中の動物園が、同じことを考えているはずだ。

写真
▲ パンダの死を伝える看板の立てられた園の入口
興興の死を越えてなお、王子動物園は、子供たちのためにパンダが欲しいと思っているようだ。なかなか新手はないが、動物園のテーマは愛だと思う。家族愛・仲間の愛・恋人同士の愛・老後の愛・心が病んだ時の愛…それらが詰まっている。そんな愛の懸け橋となってほしい。

とある友人は「震災で病んだ心がいやされた」と言っている。動物園でプロポーズしたと言う友人もいる。それは、映画や書物にはない、別な命のドラマがそこにあるからだと思う。その命を守ってくださっている職員の方々に、心から感謝したい。

今回の件では何かと批判されるだろうが、ここは、頑張ってほしい。横に座っている北区の議員が「北区の笹が悪かったのかな」と心配していたが、まさか。やはり、興興の運命だったのだろうと、愛くるしい姿を思い出しつつ、冥福を祈る。