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2010年 09月 29日 水曜日

3つめは、市民の生活様式が変わっているのに、夜間に症状が急変した際に受診する場がない問題。休日歯科診療にととまらず… 市民のための救急歯科診療体制を確立するように要望する件だ。当局は
「今は県の歯科医師の先生方が、兵庫県と神戸市のお願いと補助金でやっていますが、来年3月末で辞める事になった」
というが、理由は県の予算難であり、利用者の95%以上が神戸市民だという。

神戸市歯科医師の先生方が代わってやって下さるよう神戸市がお願いしているが、今のところ、施設として3月以降1年間は、今まで通り中央区にある県の歯科医師会館を有料で使わせてもらうようになっている。その後は、長田区の神戸歯科センターを候補地とし、さらに検討するという。これに対して議員から
「大切な事であり、要望にこたえるよう予算を組んで欲しい。しかし神戸市民は兵庫県民ではないのか? 県はこの頃、施策の上で、このように神戸市民は神戸市が面倒みて下さいとの施策に変わりつつある。どうなっているのか?」
といった声も出ていた。

4つめ、5つめは割愛して、学校歯科保健関係でくくると、課題は

  1. 小学校・中学校でのフッ化物洗口の実施

  2. 洗口場の整備

  3. 大規模校の学校歯科医配置基準緩和

  4. 幼稚園秋季健康診断への助成の復活


の4点。

1については、健康格差を減らす非常に大きな効果が期待される、フッ化物洗口の小学校及び中学校での実施拡大を要望する件。すでに市立幼稚園は開始しているが、当局は「できない」と否定した。「学校に時間的余裕がない」からだそうだ。しかも、歯科医師会にも申し上げていると言うから、全議員が驚いた。私が
「このゆとり教育の中で、うがいの時間がない…それは学校長が言っているのか、教職員組合が言っているのか?」
と、尋ねると
「私達、教育委員会が調べた結果です」
と答弁。そこで、あるベテラン議員が
「インフルエンザの時、皆率先してやったではないか」
と質問すると、
「フッ化物ではやっていません」
これには、皆が苦笑い。さらに
「今小学校で歯磨きをさせているのは40%」
と言うので橋本議員が
「この根拠は」
と聞くと、なんと学校全体ではなく、学校の中の1クラスでもしていたらカウントしているのだそうだ。橋本議員の
「なぜ、そんな無駄で、根拠の薄い統計を取ったのか」
との問いには、当局も
「私もそう思います」
これまた、苦笑いだ。

ある中堅議員は
「また数字のマジックが出た。しかし、時間の余裕がないかどうかはひどい理由で、納得しない」
と激しく迫っていたが、結局、この件については、ベテラン議員から「他の与党議員との場で議論するように」と団長に依頼した。

教職員の皆さんからは「学校の実情を知らず無理を言う議員」とお叱りを受けるかも知れないが、ある議員曰く
「幼稚園まで子供に教えておいて、後は知りませんでは通らないではないか。せめて毎日できなくても…」
まったくもって、その通り。さて、皆さんは本当に、学校生活でフッ化物うがいの時間がないと思われるだろうか?

市民のデンタルIQ (Dental intelligence Quotient = 歯科的関心度の略で、 虫歯などの歯科疾患や予防に対する理解度、認識度) が高まれば、健康な歯でいられる市民も増える。そのためには、子供の頃からの意識付けが大事だろう。欧米ではとみに感心が高く、歯を見れば育ちが分かるなどと言うくらいだと聞き及ぶ。うがい一つにしても、そんな意識の具体化だ。脳味噌のIQが高いだけでは、子供たち自身が、世界の人々とともに自分の未来を担えないのである。