Skip to main content.

2010年 09月 24日 金曜日

人は時としてとんでもない酔狂をやりたくなるものだ。特に、食通Kさんと共に昼食でもという時に話しが弾もうものなら… それは、酔狂を通り越して、粋狂。実は、19日の午後、突然、13年前にKさんが行ったと言う、徳島空港の横にあるうなぎ屋まで、うなぎを食べにいくことになったのだ。

「名前は忘れた。確か2軒あって、奥の店がうまかった」とそれだけを頼りに、ナビに徳島空港とセットして、ミステリーツアーは始まった。ナビのおかげで徳島空港には着いたが、空港もうなぎ屋もない。道路標示が違っているから「空港が潰れたのではないか」「きっとそうだ」などと軽口をたたきながら、現地の道路標識に従って行くと、ようやくそれらしき建物が見えてきた。

かくて、空港は発見したものの、今度は肝心のうなぎ屋がない。仕方なくくるくる回っているところに通りかかった、国勢調査をしている40代の女性に聞いてみた。まるでダーツの旅。「あぁ、今も2軒うなぎ屋はありますよ。名前は忘れましたが」と言いながら、と友人に電話で尋ねてくださった。「早く閉まるうなぎ屋」と聞いて、『まるちょう』。もう一軒は『藤崎屋』とようやく分かった。2軒とも国道28号線沿いだそうだ。

どちらも尋ねようということで、まず『まるしょう』に。到着は午後3時で、店は既に閉まっていた。店を覗いて聞いてみると「午前11時開店で、材料がなくなれば2時でも、3時でも終わる」そうだ。もう一軒の『藤崎屋』では、Kさんはうなぎのせいろ、私はうな重定食を注文した。はるばる徳島へうなぎ屋を探しての旅。味にはむろん満足したが、この遠路を駆けてくれば、当然。

写真
▲ 徳島空港
お店の方曰く、空港は4月8日に移転したそうだ。この時代に新空港を建設するとは、徳島市は力があるなぁとビックリ。食後、新空港へ行ってみたが、それは立派なもので、なんと神戸空港より大きく賑わっていた。主たる路線に東京・名古屋・福岡と、神戸空港を見捨てた3路線も入っている。「いつの日か神戸に取り戻すぞぉ」と思いながら、帰路についた。

夕日が瀬戸内海を照らす頃に、明石海峡大橋を渡った。まるで映画のワンシーンのようだが、Kさんはぐっすり。旅の締めに明石焼の「よふけ」に立ち寄ったのは、タコ焼きにこだわる関西人の酔狂…いや、ご愛嬌であった。