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2010年 08月 12日 木曜日

東灘区の片岡区長から100歳以上の高齢者が行方不明になっている件で現状報告があったのは、昨日の東灘区役所での議員団会議。区長は…
「東灘区では、住民票が東灘区にあって現住所にいないと思われる人が16名いることが報告された。もっと早く調査し、対処するべきだった」
と、きっちりと陳謝した上で、引き続き調査すると表明。そこで、
「16人の中に、もし生きておられたら現在125歳の日本一の長寿の女性がいることになるが、その生死は分からないのか。また、16人に対して、いつまで公的なお金なり品物が出ていたのか。なぜ、こんなことになったのか」
と私が質すと、
「16人については、届出の住所にいるかどうか調べています。最高齢者と思われる女性の生死は、分かりません。また、他15人の方々も分かりません。原因は、『縦割り行政』のため、祝い金制度を取り扱っている健康福祉課と、住民票を取り扱っている市民課の連携が取れていなかったことによるもので、今後改善していきたい」
と述べた。これについては、他の議員からも指摘されていた。
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■ 無国籍!?


先ず、当然とはいえ、議員団が申し入れる前に自ら報告してくれたことは嬉しく、評価したい。その上で、だ。私は
「東灘区民は怒っている。神戸市はどうなっているのか。105人もの行方不明者を出し、しかも住民基本台帳上からは日本最高齢者をこの東灘区役所から出しておきながら、何もしないでは済まされない。せめて、日本国民に向かって、『最高齢者のその後を調べましたが、どこに居られるのか分からず不明でした』とか、『調べた結果この辺りで他界されているようです』と、新聞やテレビで発信するべきではないか。それが、これだけ世間を騒がせた区としての、国民に対するせめてもの誠意ではないか。他の15人に対しても、そうではないか。さらに、公金の問題も大切だ」
と再度尋ね
「皆さんには、行政のプロとして、自分の所管する台帳から一年に一回くらいは点検し、この人が元気なのかどうかくらい、見に行く余裕はなかったのか」
とも質した。

これに対し区は
「最高齢者の方については分かっていましたが、そのままにしておりました」
と答弁し、さらに
「この高齢者は、国籍がないのです」
とも。この”国籍がない”には、他の議員からも「へぇ、そんなことがあるの」といった声があがった。疑問に感じて、「無国籍の人の可能性もあるのか」と念を押したところ、「住民票の自ら書く欄に書いていなかっただけ」…なんとも、お粗末。

■ 区職員擁護論飛び出す


全くもってひどい答弁だと呆れつつも気を取り直し、
「この問題は、国の制度で厚労省が地方へ求める報告の中で、100歳以上の高齢者の行方不明については含まれていなかった点にも起因する」
と指摘した上で、
「一旦は東灘区民であった人を見守る視点から言えば、もっと親切な調査が必要だったのではないか。できることなら、16人の方のその後くらい、調べられないか」
と質したところで、今度はある議員から
1. 東灘区民は怒っていない
2. 神戸市が正直に調査しただけで、他の都市はもっと出る。東京だったらどうなるのか。神戸市も無理もないことだった。
3. そんなその後調査をするなんて、警察だって行方不明者を探せないのに、それは無理難題と違いますか
という内容の発言が飛び出した。

私は
「東灘区民は怒っているよ。私の事務所にも、たくさんの電話が入る。『区役所の怠慢だ』『公金が不正受給され、闇金に流れているのでは』といった内容で、怒っておられる。神戸市が正直だから神戸市を責めるなということだけど、そんなことは分かっている。正直なのは当たり前で、インフルエンザの時だってそうだった。他都市にも出ていたかも知れないが、だからといって終わりではいけない。原因を探して是正することが議員の努めだ。たぶん、他都市はもっと出るだろう。警察でもできないことをさせるのは無理難題というが、数が違う。たった16人。しかも、区役所は我々にない情報を持っている。警察権力以外の権力もあるので、むしろ区役所の方が調べやすい。要はやる気の問題だ」
と反論した。

普段市民派で売っている某議員には、全く失望した。私は仲間のことはこれまで書いてこなかったが、市民の皆さんには、選挙の時だけうまいことを言うような議員の実態をよく見抜いて頂きたく思う。

■ 事実解明の努力を


このやり取りを聞いていた他の議員から私の発言への賛成意見も出て、区長は
「できる限り調べて見る。ただし、できる限界があります」
と答弁してくれた。それで良いのだ。区として何とか誠意ある態度を示すことが大切。お詫びしながらの時間稼ぎだけは許されないと、私は思っている。

確かに、縦割り行政の欠陥だと擁護する向きもおありだろうが、そんなことは、もう30年前から言われてきた。今回も、担当課長は「既に分かっていた」と発言している。それなら、なぜそのままにしてきたのか。原因は、市民が言うように、怠慢か公僕としての意識の欠如ではないのか。市長があれだけ頑張って地道に努力しているのに、脇を固める仲間も、みんな優秀なのだから、もっと頑張ってもわらなければ、と思うのである。