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2010年 08月 09日 月曜日

秘書から「知事からお電話です」と連絡。何事かとすぐに折り返し電話してみると、以前知事に「勝海舟の屋敷が売りに出ている」とご連絡した件の返答だった。

ご存知のように… 勝海舟は坂本龍馬の師であり、神戸海軍操練所を創設した、言わば日本の海軍を創った人 ─ ひいては『港町神戸』を創設したゆかりの人物。そこで、兵庫県の誇りとして「買収しておいては」と、6月19日の自由民主党兵庫県連大会の壇上で提案し、その際「後ほど資料をお送りします」と申し添えたその資料を、秘書を通じて送った、その件だ。

「安井先生、良い情報を頂いたのですが、調べたところ元の屋敷は水害にあってほとんど流され、わずかしか残っていないようで、あまり文化的な価値はないということなので、今回はあまり意欲がわきません」と仰る。私は即座に「それで結構です」と答え「知事はよく覚えていて下さったし、ご自身から返信頂くのは嬉しいことです。自ら電話するご姿勢に、知事の謙虚で誠実さが感じられ、嬉しかった」とお話しした。

矢田神戸市長も良い市長なのは以前「ディールウォッチアワーズ」で書いたが、庶民性や政治感覚では、井戸兵庫県知事には少し及ばない。例えば、時間があれば昼夜を問わず、よく三宮を散策したりされる。以前私の友人が夜の町で知事に「車の排ガス規制」でクレームをつけた時も、3日程経って担当者から説明があったという、それぐらいマメな方なのだ。

私は、坂井時忠氏、貝原俊民氏、井戸敏三氏と三代の知事と接してきた。時代時代にいろいろあったが、特に坂井知事と宮崎神戸市長の時代は、浜手(神戸市)・山手(兵庫県)に分かれ、市営地下鉄に「県庁前」という駅名をつけなかった程大きな溝があったのだが、それを、議会を中心に埋めてきた。井戸知事になって、県市協調はうまくいっているのだが、残る課題は、両職員がこうしたことを知って、お互いに、常に丁寧な付き合いを心掛けることだ。

そういう意味では、現在の井戸知事も矢田市長も苦労人で、行政のプロだと思っている。私の言うプロとは、選挙を意識してパフォーマンスを演じる政治家もどきではなく、辛いことも将来のために責任を持って断行できる決断力を持っている人。そして、自分のしていることを市民県民がきっと分かってくれると信じ、淡々と仕事をする人である。

神戸市・兵庫県の抱える問題は、真珠・空港・医療産業都市と、様々。これからも、井戸知事とは多岐に渡って仕事をしたいと思っている。