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2010年 07月 24日 土曜日

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山陽新幹線が須磨トンネル内で事故を起こし、8時間にわたって普通になった。これを受けて、7月23日の読売新聞が社説で「JR西日本はタガを締め直せ」と批判している。今現在、JR西日本と2つの問題で関わっている私はことさら、本当にそう思う。

JR西日本の社長は、福知山線の脱線事故で何度もお詫びをし… 二度と事故を起こさないよう国民に誓った。しかし、今回の社説は「会社は利益を優先し安全対策を怠った」と、変わらぬ利益優先の実態、その企業風土を厳しく批判している。JR西日本のトップの方々が、国民に信頼されるJR西日本になろうと懸命に努力している姿は、評価されても良い。しかし、組織全体の意識は、トップとかけ離れているのではないか。これでは、組織全体での問題意識を共有しているのだろうかと不安になる。

私が関わっている問題の1つは、摂津本山駅のバリアフリーの件。一日も早い実現のために、JR西日本の職員と丁寧にお付き合いし、神戸市の行政にも、地元と対立して工事が遅れるようなことのないよう、注意を払いながら交渉を続けている。その最終段階に入って、JR側から、駅に店舗を入れない計画だったのが、かなりの店舗を出店すると申し入れがあって、混乱している。とりあえず部会を作って、近隣とよく話し合ってもらうようにしたが、バリアフリーの完成時期だけは遅れさせないよう、着工期日を確約していただいた。これについては話し合いに良く応じてくれたが、まさか、後出しじゃんけんのように言い出されたのでは、議員も地域も困ってしまう。

もう一つは、不動産部がこれまで職員宿舎として使用してきた不動産を、パルモア病院に貸す方向で話しが進んでいることが病院側から発表になった件。地元の医師会は反対で、もちろん私も反対である。

なぜなら、パルモアが来て東灘区の小児医療の水準が上がり、救急がしっかりし、現在の東灘区にある産婦人科や小児科の助けになり、小児の安全が確保できる医療装備があるのならともかく、現在の開業医と同じレベルの巨大病院が来るとあっては、地域医療配分を無視し、今でも十分に産婦人科・小児科がある東灘区では、いささか問題なのだ。

絶対的に不足している兵庫区や長田区に行ってあげれば、どれだけ市民に喜ばれるか ─ それこそ、医師としてのわきまえだと思う。ある病院の女医さんが仰った
「麻酔科の専門医もいなくて、東灘区をブルドーザーのように荒らさないで下さい。医学界は命を預かっています。東灘区の仲間が助け合って、命を守っています。仲間に入れないようなやり方、利潤追求一本やりの考え方で来られては、迷惑です」

という声に、スーパーの乱立問題などではない、命に直結する立場にある人の訴えとして、私も賛同した。

そこで、進行状況を探りがてら、JR西日本の不動産部に状況を理解してもらうべく、医師会として穏やかに面会を申し入れたが、”お会いする必要はない”という回答。JR西日本のトップは丁寧に国民に対応しているのに、相手がはっきりしていて、ましてや犯罪をしている団体でもないのに、面会すら拒絶する姿勢は問題であり、理解もできない。

丁度、矢田市長が懸命に「市民に対し、親切かつ丁寧に仕事をする」と約束しているのに、区役所や第三セクターで市民に不親切だったり、会わずに済まそうと逃げる職員がいるのと同様。間に入る議員として、苦労は絶えないのである。