▲誠実な青年警察官
ドイツで学んだという日本語はかなり流暢で、「日本の自然は美しい。3年前には富士山を登った」という。そんなに日本のことを勉強しているのかと感心したので「日本人とドイツ人ならどちらと結婚しますか?」と聞いてみた。「今のところ5分5分。結婚そのものの考えがまとまっていない」そうだ。
周りの人が「ドイツにも変わった人が居るんね」と、失礼な質問を。私は恥ずかしかった。日本人は人と違うことをすると、すぐ変人扱いする。思わずその質問をさえぎって「なぜ日本に興味を持ったの?」と聞くと「柔道から」。職業柄、柔道を学んで、その奥深さを知ったという。なるほど、日本の武芸は、こんな素敵なドイツ人を育ててくれている。その日本人が、なぜか剣道や柔道から遠のいている。横の人が「お金にならないからだろう」と答えた。
そうかも知れない。日本古来の剣道・柔道・空手・相撲は、日本人を日本人らしく、技術・精神共々に鍛えてくれたものだが、それももう遠い昔となった。昔から、力士の「士」は侍であると聞かされてきたが、今回のような事件に。相撲道・侍道に反していると思う。海外では、日本の武芸に対する評価が上がっているのに、何か悲しく、申し訳なく思ったのだった。