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2009年 06月 03日 水曜日

今日は朝から区長室で、だんじりの件で話し合った。区長室に各地区のだんじりの写真が掲示してあり、嬉しかった。「だんじりは、東灘区の子供達の教育と、文化の継承に加え、防災にも役立っている」といった会話の、その時、速水力さんの殉職の… 話になり、「東灘区として何か追悼をするべきではないか」と進言したところ、消防の方で話はしているかも知れませんとの答えだった。


しかし、事務所に帰ると2〜3人の方が来ておられて、区民の中で区民の為に殉職された方への追悼の会を行ったらとの声が出て来た。大切な意見だと思っている。今日、朝日新聞と読売新聞が速水力さんの事を取り上げ、神戸新聞が社説で「人命救助の無い場合、急ぐ消火より、安全な消火活動が必要だったが、想定外のことがあったのだろう」と同情を示している。市消防は、6月2日を「誓いの日」として「2度と殉職者を出さない誓いをする」とした。

私は、今回の速水力さんの死は本当に無念でならない。私は第三工区会の顧問を務めているが、そこにも、各種の工場がある。つまり、東灘区・灘区は今回の様な爆発や工場火災等を考えると、爆薬庫を抱えている様なもので、消防局も大変だ。その犠牲になられた方には当然、何かせねばならないと思う。誓いだけでは、次の災害は防げない。各区ごとか、特別地区制定か、或いは業種別といった枠づけで、条例や規則を作る必要があるのではないかと思う。


私は、中山秘書と共に今日も現場に行って、献花し手を合わせた。

たまたま神戸新聞が取材していて、匿名をお願いして同じ意見を述べた。

当日、飛び出して来た真っ黒になった消防士が路上で座り込んだ姿があまりにも美しかったので、思わずシャッターを押し続けた。

時間帯からして彼は、速水力さんを救出に向かったが、猛火で退避して来たのだろう。半年か一年来経ってから、確かめてみたい。同僚の死は本当に辛く、助けられなかった事の悔しさは、誰にも言えなかっただろうし、あの深いため息は、使命とはいえあまりにも残酷で悲しい。彼は誰の目にふれる事なく、機具をぶら下げて消えて行った。

当日指揮を取った幹部の人々も同じ思いだったであろう。こうして市民は守られているのだ。感謝を決して忘れてはなるまい。

アメリカでは、消防士は敬愛されている。親子三代が消防士という家族がたくさんある。ニューヨーク貿易センタービル爆破テロのおり、ずっと昔に退役した老消防士が倉庫から古い消防服とヘルメットを出して、駆けつけた。消防士とはそんな、誇り高い人々である。ずっと続く消防一家は、消防士さんになれる事にしてはどうだろうか ─ きっと暴論だとして批判されるだろうが、せめて感謝の気持ちとして申し上げたい。

速水力さん。貴方には、何の落ち度もない。貴方はあまりにも勇敢に、市民の為に戦った。反省するべきは我々にある。安らかな永眠を祈る。