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2010年 05月 27日 木曜日

東山会とわずか200mで隣接しているために猛烈な建設反対運動が展開された芦屋市三条町にある火葬場の芦屋市聖苑。芦屋市が紆余曲折の結果、現在の三条町39番地に再建することになったのは… 9年前のこと。

この火葬場について、東灘区側自治会、東山会の役員の方々5人と共に芦屋市の山中健市長を訪ね、懇談した。当時、北村前市長から山中現市長に変わった時点で、私も立ち会って協定して建設されてからこのかた、年に一回、役員と芦屋市で会議が持たれたが、履行された要望もあれば、環境課長が変わったためなどの理由から返答しないままになった要望もあり、今回の市長との懇談会となった。

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▲山中芦屋市長と懇談する東山会役員の方々
当初はすすり泣く声、鉦子(伏鐘)や自動車の音を心配したり、煤が洗濯物についたり家の中に入ってくるのではと心配したが、9年も経つと具体的に色々と分かってくる。

東山会からは色んな問題が提起されたが、特に大きな問題は騒音で、協定で50デシベルと定めた上限を時々オーバーしているようだ。これは機械の稼動音や冷却音で、火葬炉2基が稼動すると凄い音がする。その上、1月1日と友引を除いて、毎日のように音がするという。対策が遅れていると役員の方々が指摘されるこの問題は、実は、当時落札した機械メーカーが「騒音はない」と胸を張っていた件だ。加えて、新たに低周波についても問題になってきたようだ。

廃塵量以外は保全目標値以下とはいえ増加傾向にあることや、一酸化炭素・窒素酸化物の増加原因が不明のままになっていることも、問題として浮上してきている。お別れにと棺の中に様々なモノが入れられるため、そういったガスが発生するという。モノを一緒にという遺族の気持ちは理解できるが、近隣の人々の健康被害を考えれば、物品を入れることは辞めて欲しいところ。煙突の高さと住宅地の高さがほゞ同じなので、なおさらだ。

反対運動のさ中、私は
「広域行政の中で神戸市の火葬場を使用してはどうか」
と提案したのだが、芦屋市のみならず神戸市からも反対された。今回の火葬場の問題は、芦屋市の嫌悪施設で神戸市民が被害を受けているわけで、難しい点が多い。

芦屋市がそっぽを向いている訳ではなく、立派に取り組んでくださっているが、市民が神戸市に訴えても
「芦屋市のことなので」
とそっぽ向かれるそうだ。神戸市民が被害を受けているのだから、行政区を乗り越え、解決していかなければならない。とりあえず今回は、騒音を継続的に測る工夫を検討すると約束頂いた。この9年、立派に市長をやり遂げられている山中市長は穏やかで、よく話を聞いて下さり、丁寧に答弁されていた。

帰路、ある役員の方が
「芦屋市が95,098人、東灘区が209,125人で、遥かに東灘区の方が大きい。この二つが合併すれば、立派な市になるのになぁ…」
と仰った。私も、市境という行政区の狭間で揺れる問題で、苦労することが多い。東灘区は神戸市の端という考えではなく、玄関という考えであって欲しいと、つくづく思う。