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2010年 05月 26日 水曜日

以前から関心を持っているDVについて、日本DV防止・情報センターから「DV防止に向けた10年のあゆみ」という立派な本を頂いた。市会議員という仕事がらか、この類の相談が… 非常に多い。以前は役所や警察では取り扱ってくれないからと議員に訴えてこられることが多く、まず役所や警察に介入を頼むことから始まるのが常だった。が、最近になってやっと役所も警察もDVとして向き合ってくれている。

それでも、まだまだの感があって、「10年のあゆみ」を読み進む中で、その通りだとの思いと、なるほどそうかとの思いが混ざった複雑な心境になった。この活動によって、民間シェルターやDVサポートグループのネットワークが100ヶ所を越えたそうだ。法律の施行にも成功され、配偶者暴力相談センターが各都道府県にできてきている。兵庫県でもシェルターが1ヶ所、場所は不明となっているが、暴力を受けた人や恐怖に怯える人を守っているとある。この10年間、日本DV防止・情報センターの活動が多くの女性を救い、守って下さったことに、心から敬意を表しお礼申し上げたい。


▲弱者をどう守れば良いのか…
神戸市でも然りで、平成21年度の保健福祉局だけでも2810件もの相談を受けていることから、いかに悲惨な状況であるかが分かる。恋人や友人からの暴力や脅迫より、配偶者によるものが多い。これについて、日本DV防止・情報センター前代表の大脇雅子さんは
「”法は家族に入らず”という不当な理由で、家の中で起こる見えない暴力が、妻・老人・こどもたちなど弱い立場にある家族の人格を侵害し続けてきた。”家族”という温かいはずの絆という関係は、人々をそこから逃れようとしても、逃れることができないものとしてきた」
と書いておられる。まさにその通り、役所も警察も、DVという立派な犯罪を見過ごしてきた。

およそ6年前。17歳の女性が19歳の彼氏から、”根性焼き”だと両乳首にたばこの火を押し付けられていた。驚いた女性の両親が
「警察に訴えたが、問題にされなかった」
と、私に訴えてきた。警察に聞くと
「問題にしていないのではない。男を呼んで注意しているが、恋人同士であり、悪ふざけの範囲でもあるので、よく注意しておいた」
と言う。しかし、彼氏からの”根性焼き”は繰り返され、ついには女性の家にまで侵入するようになった。

信頼する別の警視にたまらず
「これ以上警察が動かないなら、幹部の方に同席してもらっての記者発表を考えている」
と相談。やっと動いて下さったのだった。今の警察は、真正面からこういう問題に取り組んでくれる。が、5・6年前はそんな状況だったのだ。

保健福祉局とシェルターや相談窓口合わせて平成18年に2086件だった相談は、平成21年には4273件に増えたというから、このセンターの取り組みぶりが伺える。女性のDV被害への世間の理解も、やはり大きいのだろいう。

実は、田中幹夫弁護士にご指導を賜り、女性だけではなく子供達もということで、8年前、神戸市の子供を守るべく田中幹夫弁護士と一緒に、”神戸市子ども虐待防止条例”を制定するよう矢田市長に進言し、委員会でも訴えた。だが、その動きは未だに、全く無い。現行法で対応できるからというのだが、果たしてそうだろうか。社会的弱者と言われている人々の不安をなくして行くのも、我々の使命であると思っている。これからの日本を作っていく子供達を守るためにも、努力を重ねていきたい。