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2010年 04月 29日 木曜日

昔からの友人、中田勘治郎氏は東灘区北青木に古くからお住まいの方で、広い土地を持っておられ、紙関係の仕事を定年退職後余生を楽しんでおられるる。御尊父が学校の校長先生だった氏は元々自然が大好きで、いつも「木は自分の命を絶つ木こりの昼食に、最後の日影を与えている。人間が最も自然の中で身勝手だ」と… 笑顔で語られる。


▲手作りのビオトープ
そんな氏が4年前、自分の屋敷のそばでビオトープをはじめた。従来ビオトープは学校に設けるのが普通だが、近隣の子供達や通りがかりの人たちに人間以外にも命があることを知ってもらいたいと、夫婦の楽しみを兼ねて造られたのだ。

そんなビオトープに久しぶりで立ち寄って、立派に育ったのに、感動。

勘治郎さん宅には幸いにも井戸がある。その水が流れ込むビオトープには、メダカの学校があり、蛙や川エビ等が生息し、カキツバタ・日本アヤメ・イチハツ・ヒメアヤメ・ハナショウブなどが植わる。特記すべきは、テレビやラジオで絶滅の危惧と訴えられているアサザが池一面に繁殖していることだ。これも、井戸水のおかげかも知れない。

日本のビオトープ発祥の地と言われる御影小学校の当時の小野慶子校長が、「ビオトープが学校から出て一般の所でできれば良いが、管理や費用が大変ですから、無理でしょうね」と言っておられた。一度彼女を誘って見に行ったら、きっと喜んでもらえるだろう。


▲語り口も活きいき
一見ムダ使いに見えるお金だが、ここでは地域にも、御夫婦にとっても、ビオトープで生きている。陰で掃除や管理をされている奥様が、「私の夢はここでホタルを飛ばすことです。6月に子供達の服にとまってくれたらと思っています」と仰る。最近で近所の方たちも手伝って下さるそうで、みんなでホタルを6月頃に飛ばすのが夢だという。ホタルのエサのカワニナも、順調に育っていた。

素晴らしいご家族が見える。御影小学校では、苦労の結果ホタルは飛ばせたものの、網を持った子供達にあっという間に獲られてしまった。大人が教えたのだろうか。勘治郎氏のビオトープには、網など持ちこんで欲しくない。ホタルと人々の交流の場として、お互いに生きる喜びを感じたいと思っている。