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2010年 04月 04日 日曜日

小・中学生のお子さんが居られる東灘区甲南台のMさんが一昨日、久しぶりで事務所を覗いて下さった。彼女は、凄く意志の強い主婦。初めての出会いは私への一本の電話だった。

あれは… 自分の子どもが通園する神戸市立本山保育園を神戸市が民営化する行政行為に出て、保護者を説得し始めた時だった。民営化第一号だったので、私は、神戸市が勝負に出たと思っていた。保護者の大勢は、民営化反対だった。

そんな中、
「なぜ民営化がいけないのですか。大切なのは子どもの安全と教育です。民間の良さを発揮できるでしょう。学問的な立場をもっと取り入れて、保護者と作り上げていけば良いのでは」
と語ったのが、彼女。私も同感だったので、彼女を励まし、彼女は民営化の中心となって仲間を増やし、激しいプレッシャーの中、見事に民営化し遂げたのである。


▲博士号の報告に
その後彼女は、子どもの教育に興味を持ち、特に、障害を持つ子供達が社会に貢献できる技術と力を付けるために何をすべきかをテーマに、神戸大学で学んだ。時々会っては、励ましていた。震災時には、近所の子どもを集めてにわか保育園よろしく自宅で面倒を見るボランティアで、感謝されていた。

そのとき分かったのが、彼女は女性の間で信頼されている、ということ。きっと男なんだろう。いわゆるはっきり発言して頼りになる、物わかりがよく、嫌みがない、昔県会議員になって欲しいと真剣に頼んだが、「そんなバカな事なんてできますか」の一言で蹴飛ばされ、気持ちよかった。その時、「勉強が忙しかったし、主婦をせなあかんし」と言う彼女に「何を狙ってるの」と聞くと「博士号」と、けろり。そして今日、その”博士号”の証書と論文を持って来てくれた。決して自慢ではなく、私が本当に喜ぶと知っていたからだ。

私は、常に日本の女性は男性より素晴らしいと言っているが、今日も「大変な苦労をしながらやり遂げた。よくやったね」と握手をした。彼女は「また来ます」。簡単な会話だったけれど、嬉しかった。ちょうど、西部劇のラストシーンで、仕事をやり遂げ黙って去っていく「シェーン」や「OK牧場の決闘」、「荒野の7人」のよう。Mさんは今後何に向かうのだろうと、楽しみである。