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2010年 03月 17日 水曜日


▲相談に来られた
若い御夫婦がうつ病の相談で事務所に来られたのは、昨日のこと。既に専門医にかかりながらも、「職場を転々として長く続かない。周りで、自分のことが悪く言われているのではないかと気になって、落ち着かない」と訴えられた。

私の目を見ないで、辺りをくるくると見回しながら話される。二人とも大変だが、仲が良いのが救い。御主人は…
「きっと直してみせる」と笑われるが、少ししんどそうだった。「今こそ助け合うときだ」としか言葉が出なかった私は、実は先日、うつ病と神戸市内の自殺者についての勉強会に出たばかりだった。


▲神戸市の自殺者について学ぶ
その勉強会とは、私たち議会人も微力を捧げようと始めたもの。近年の神戸市内における自殺者が増加傾向なので、医師会と行政機関が手を組んで対策をしようと、来る3月20日には「神戸自殺総合対策拡大会議」が神戸市医師会館で午後2時から行われる予定である。神戸市が計画している“神戸G-Pネットワーク”の案が、そんな勉強会で示され、本当に良く出来ていると記憶していた。

目的は、
Generalist(かかりつけ医)とPsychiatrist(精神科医)の連携を緊密にすることで、かかりつけ医のうつ病の診断技術と対応力を向上させ、かかりつけ医から精神科医へのスムーズな紹介を行い、市内での自殺者数減少に寄与する包括的医療体制を構築すること
である。平成22年4月から本格稼働の予定で、市も447万6千円の予算を計上した。医師会の協力の下、市も重要な行政行為と判断した結果であるが、もっと計上しても良かったのではないかと思っている。

背景には、神戸市内だけでも、平成10年以後毎年300人の自殺者が出ている現実がある。平均すれば1日に0.7人。市内の交通事故死の6倍にもあたり、社会問題そのものなのだが、主な原因はうつ病だそうだ。最近、良く効く薬も開発されているようだが、昨日来られたご夫婦のように、何より周りの理解と助けこそ、絶対に必要なのである。