Skip to main content.

2010年 03月 08日 月曜日


▲内容のある論議を展開した平野議員
みなと総局の審査で我が会派から、政策通として議員仲間で評価の高い平野章三議員(垂水区選出)が、主に神戸空港を中心に論議を振るった今日。周りの議員も聞き入っていたし、記者団も身を乗り出していた。ある議員は「よく言った」と言ったが、ある議員は「空港を売ってしまえ」とも。「調子に乗っている。どうかしてる」と言った人がいたのにはビックリ。私は…
「彼は思慮深い人だから、すべて分かってやっている」と答えた。珍しく、テレビ(朝日放送)まで入った、その核心をついた質問には、当局も一言一言噛み締めながら、慎重に答弁していた。

そんな我が会派の質疑に先立ち「神戸空港ストップの会」から、ベイシャトルの駐車場を無料にしていることの反対、ベイシャトル自体の反対を訴えた陳情と市当局の反論。『国際コンテナ戦略港湾』戦略についての質問には
「東西に長い日本列島では、二つのハブ港が必要であり、西のコンテナハブ港として、阪神港を大阪と共に働きかけていきたい」
と力説。さらに
「また、日本航空が神戸空港から撤退した後、スカイマークが10便参入してくれるが、その採算の見通しはどうか」
との質問には
「スカイマークは徹底した倹約と工夫で乗客40〜50%で採算が合う戦略と聞いている。また、市としても、例えば鹿児島市とも話し合って、ともに協力してPRして行く予定で合意している」
と自信を示していた。

続いて、いよいよ我が会派の平野章三議員の質疑。
[平野] 国際コンテナ戦略港湾の、ハードとソフトについて、どうなっているのか。ハードでは、例えば水深16mが条件のようだが、名古屋港は5〜6年先に完成するらしい。横浜港は既にできているが、神戸港はどうか。次にソフトの面では、経営が大切である。市長も以前に、数ある埠頭公社を合併して、一つにするとしていたが、神戸の埠頭公社も大阪の埠頭公社も赤字。これをどうクリアするのか。また、民間に移行すべきであると思う。さらに合弁を目指し、まず管理統合を促進するための管理会社を作って、進めていくことによりソフトの大部分が補われるが、どうか
[市当局] 水深16mは、名古屋港では当面できない。神戸港は今年度中に完成するので、条件的には横浜港と神戸港だけである。その点を訴えていきたい。大阪等の埠頭公社との一体化は進めていくが、ご指摘のように両市とも赤字であるので、何とか工夫をしていく。ポートオーソリティー等を組織して、一体化していく。ご提案の管理を専門にする会社は、必要であると思うが、今のところ法的に難しい面があるので、国と相談していきたい。
[平野] 空港について、三空港一元化とか、三空港一体運用とか言って、関西三空港懇談会で話し合っているが、大阪府の橋下知事に、神戸空港を失政とまで言われながら、その場でなぜ、矢田市長は不快な表情をしただけで、反論しなかったのか。反論しなかったので、大阪財界は神戸空港バッシングで走っている。このことが、いろいろな面に通じている。このことについてどう思っているのか。
[市当局] 橋下知事の発言については、我々も不快であった。市長はその場で、橋下知事以外はそのような空気でないと思ったのではないか。その問題は後ほど理事会で論議され、事務局を通じて理解を求めて、上手くいっていると思っている。
[平野] JALが神戸空港から全面撤退した。JALは、採算が合わない便は廃止すると言っていたが、私が調べたところ、必ずしも悪くない便もあった。神戸より悪い利用便は、全国で70%もある。しかし、その中で神戸より悪い多くの便が生き残っている。市当局は、JALとどのような戦略で臨んだのか。その結果、理解できない大阪財政のJALへの圧力があったのではないか。
[市当局] 市もJALの態度は理解できないし、納得いかない。我々もJALとの間で、空気が緊迫するほど激しく議論したが、あくまで経営上の判断としか説明しない。大変不満である。
[平野] 神戸空港の赤字論議がよく出てくるが、赤字の内容を分析しているのか。例えば、伊丹は36億円の黒字であるが、それには土地代も毎年の環境対策費も入っていない。これら国の有利な計算方法と、神戸のような地方の空港とでは、比べる基準が違う。神戸には市債返済の問題がある。この戦略も必要である。
[市当局] 赤字・黒字は、国がいくつかの計算方法を示しているが、この計算でも6つの空港しか黒字でない。ご指摘の通り、伊丹は43億の黒字であるが、これまた土地代や環境対策費が入っていない。神戸空港もその方式で計算すれば、黒字になることも考えられる。神戸のように、一般会計から組み入れもしない地方空港は、全国に二つしかない。
…これ以上詳しく書けないのが残念。あまりにも大切な良い指摘だったが、私も聞きながらの走り書きで、誤解もあるかも知れない。しかし、この委員会で平野議員は橋下知事に自ら抗議の電話をしたことを明らかにし、JALの件でもよく調べ、表に整理し、当局に示していた。今までの中で、最も内容のある論議だったと思う。