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2010年 02月 13日 土曜日

横井庄一氏を覚えておいでだろうか。1972年2月2日に帰還された、元日本兵だ。その横井氏が28年にわたって隠れ棲んだ… 地下壕に行ったのが、二日目。発見当時は大変なジャングルの中だったらしいが、今では記念館が建った観光名所“横井ケイブ”。普段はロープウェイで約4分のところ、強風のため動いておらず、トラックの後ろに乗って山道をガタガタ走ること10分。さらにトロッコを乗りついで、ようやくたどり着いた。近くにはこの川のお陰で生き延びていたと云われる綺麗な川とタロフォフォ滝があり、水が豊富。川でエビを取っているところを、現地民に発見された。

自然の洞穴を利用したのだろう横井ケイブは、地下25mの深さ。この“ような”場所で28年間生き抜かれたのかと、感銘を受けた。

記念館の近くに、日本兵の資料館らしき瀟洒な館があった。中に入ると、日本兵が自決する、何とも凄まじい姿を摸した展示があった。グアム島での日本軍の評判はすこぶる悪く、残忍だったという。立場が解放軍に相当したアメリカは、善行が増加するのだろう。戦争とは、そんなものだ。


▲慰霊塔前で線香を捧げる
思い立って皆で、日本兵慰霊塔に向かうことにした。現地日本人によって建てられた壇は美しかったが、最近では訪れる人も少ないそうだ。花もなく、寂しげな慰霊塔を、現地の人々が懸命に守って下さっている。日本政府に何とかして欲しいと思った。慰霊塔の横には、同好の志によって建てられた神社の様な建物があり、中には、折り鶴と日本軍の使った飯盒や鉄兜等が乱雑に置かれていた。どんな思いで、彼らは南方に散ったのだろうか ─ その無念さを思うと、涙が溢れてきた。

日本兵慰霊塔に咲くハイビスカの真っ赤な色と、エメラルドブルーに輝く珊瑚の海。ここが、なぜ悲劇の舞台にならねばならなかったのか。平和の尊さを、地球上で最も美しいと思えるこの島で改めて、深く認識したのだった。