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2009年 12月 02日 水曜日

本会議場で、今日、ある議員がから
「最近マンション紛争で、施主側と住民の間に立って調整するにあたり、神戸市の建築調整課が中立でよくやっておられるが、市民の目から見れば、もし、施主側に立つと思われる調整が行われるようなことがあれば、市民の市行政への不信に繋がっていくことがある。もっと市民の声を聞くことが必要ではないか」
という質問があった。

この種の質問が本会議で行われるのは珍しいのだが… この質疑者は、ずいぶんと地元に入って、実際に施主と住民の間の調整に苦労されていると思われた。私も、よく間に立って調整するが、市の建築調整課は、施主側の強引さと、合法的であることを理由にして、施主側に立っているように思われることが多いと感じている。これでは、質疑者が言う通り、住民の為にならない。

建築調整課はかつて、住宅環境課として発足した。発足時の説明には
「いかに合法的とはいえ、施主側はできるだけ近隣の声を反映させるよう調整をする」
とある。もちろん、できる限りの範囲のことであり、大きな変更は難しい場合もある。ところが、調整課は中立であらねばならないと言い出し、最近では、地域は地域で守って欲しいとして
「地区協定、まちづくり協定をして守りなさい。そして、せめて工事協定を結んで下さい」
といった行政指導に力を入れているのである。今日の石井副市長の答弁も、同主旨だった。

建築調整課々長は多忙を極めるそうで、胃潰瘍にもなるとも言われた程。施主と住民の間に入って、住民のための日照・覗き込み・工事上の安全といった内容について、ギリギリのところまで頑張ってくれていた。結果がどうであれ、だから市民は「あれほどやってくれたのだから」と納得して言って下さっていた。

ところが、今では神戸市が間に入っての調整は激減している。調べたところ、平成17年度では5件、平成18年度では9件、平成19年度では11件、平成20年度では9件、平成21年度では5件。それぞれについて5回づつ会合を開いたところで、知れたものだ。市は
「景気が悪くなったので建築数が少なくなり、トラブルも減った」
と言っている。確かに減少は大きな原因ではあるが、一方で市民が「どっちみち市は施主側に立つのだろうから、言っても仕方がない」と思っていないかと、心配している。

市に言っても仕方がないから、市会議員に言ってくる。議員は、それぞれのやり方で対応する。間に入って調整する議員、議会への陳情を勧める議員や、それら両方やる議員、等など。しかし、明らかにムチャを要求する地元民をたしなめると、施主と何か関係あると批判されかねないから、議員も辛い。加えて施主側から営業妨害と攻められるやも知れず、間に入って良い事はない。だが、そうは言っても誰かがやらねばならない。どうか、大変だろうが、さらに間に入って頑張って頂きたい。