神戸から引率して下さった親切な信者の方に連れられて本堂にお参りした後、研修室で政治担当者から、政治への取り組み基本姿勢「五項目」を示された。たいていの宗教団体は、必ず自己PRに始まり、いかに我が宗教が素晴らしいか等と説明するところだが、ここは違っていた。
「五項目」とは、
- 生命(いのち)の尊厳を守る
- 宗教的情操新を養って、自らの心を耕し、生活の中心となる家庭を整える
- 人為的な操作により、生命の尊厳が損なわれるような医療行為に反対する
これは臓器移植を意味しているが、臓器移植そのものより、脳死を死とすることの是非と、生命倫理がまだ確定していない段階での移植が問題であるとしている。
まさに神戸が今後、医療産業都市造りをする上で避けて通れない課題であり、興味深い。 - 平和主義の推進
- 憲法の平和精神を堅守し、平和主義を第一とする
つまり憲法9条の精神を守る事をはっきりと言っている。 - 思想・良心・信教の自由を守る
- 政教分離の原則を守る
- 靖国神社国家護持・公式参拝に反対する
首相・大臣クラスの参拝に反対するという事である。
- 直接、間接に関わらず、特定の宗教団体による政治上の権力行使を認めない
これは公明党を認めないとの事であろう。この宗教は、他の宗教を排除したりしない。
キリスト教も天理教も創価学会もすべて協調して、共に世界平和に手をつなぐために努力しているが、創価学会と公明党の政教分離していない事はいけないとしている。 - 政治倫理の確立
- 宗教心を持った人格者たる政治家を育て、より良い政治運営を期待する
である。政治家について、選挙の時には、この「五項目」を守っているかどうかを「良く吟味して推薦議員を決定する」と、説明を受けた。実に明快に自分達の考え方を、お金もかけずに示されたのは立派なものだ。
▲政治担当者と議論を交わす
「前回の選挙で自・公が選挙協力した結果、この宗教を含めて、多くの宗教が公明党と協力した事を理由に自民党を推薦しなかった。この事はすべての宗教と協力・協調する精神から反しているのでは?」と質ねた。すると、
「私達は、自民党を排斥した事はない。公明党が受け入れなかった自民党の議員も、我々は推薦している。ただし自ら公明党に頭を下げていくような候補者は、推薦できなかった」という答えとともに、「選挙区の判断による」とも。
私は
「今やいかなる小説もテレビドラマも、悪者は政治家で、善者は医者と弁護士のようになっており、政治家が性悪説で成り立っているように思われ、我々も困っている。と要望した。政治担当者は「よく分かりました。まずはマスコミでしょうね」と答えられた。
もちろん我々の反省すべき事はたくさんある。この宗教のように、党派を超えて宗教心のある政治家を育てて下さるのはありがたいが、本当に政治は大切であり、「政治家にも良い人がいる」と、宗教を通じて性善説を指導していって欲しい」
実は、この件は悩んだ末に載せる事にしたのだが、それは、この研修の中味がしっかり、充実していたからだ。この宗教が持つ「ホスピス」を見学する機会も与えられたが、それは、またいずれ、折を見て…。