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2009年 11月 22日 日曜日

朝から語り部のボランティアに就いた昨21日。京都府長岡京市から、34人の男女の皆さんが来神。震災について学ばれた。私のつたない「生と死と物の価値観について」の話に、お付き合いいただいたその最後。ある女性が、… 「残る余生を、楽しく生きていきます」と仰った。そう思って下されば、最高。震災をいつも頭の片隅において、価値ある人生を送っていただきたいと願いながら、お話ししている。


▲西郷隆盛の信念が伝わった講演
語り部の後、敬愛する奥徹氏の「西郷隆盛」の講演を聞きに行った。現在72歳の奥徹氏は、鹿児島県松元町のご出身。中央大学法学部卒業後に神戸製鋼入社。神鋼興産代表取締役専務を経て、現在は、神戸鹿児島県人会副会長として鹿児島のために尽くしておいでである。氏は、西郷隆盛の研究家としても有名で、昨日は「西郷隆盛 武家政権への挑戦と篤姫」を上梓された、その出版記念講演だった。テーマは「西郷隆盛の明治維新実現の原動力」。つまり「西郷隆盛の革命家としての原点は何か」という問いである。

奥徹氏は講演で、
「三度の島流しと三度の死に損ないに遭遇した事が強靭な精神力を養い、『無の境地』に到達し、天理を悟った」
のだと語られた。加えて、
奄美での愛加那との恋愛と結婚。三度目の島流しでは、四畳半の格子牢での生活に死の寸前まで追い詰められたが、番人の土持政照母子によって救出されて、人の情を知った。
しかし、その根底には、西郷が尊敬していた島津斉彬公が常に、若き西郷隆盛を隣に座らせ、「経済の原点は化学と物理にある」と、いつも地球儀を回しながら教えたことがある」
と、西郷の原点について、奥徹流の答えを示された。 ─ この辺り、講演会場では今ひとつ、よく分からないところだった。が、帰ってから拝読すると、巻頭文が井戸敏三兵庫県知事、そして序文が前神戸市長で鹿児島市出身の笹山幸俊氏であった。笹山氏の序文には「子供の時代から、西郷先生のお話をよく聞きました。敬天愛人・虚心寡欲のお話は今考えますと、今の世の中の事を心配された先生のお気持ちがよく解ります」とあった。

なるほど、今の日本、今の時代の人々には、現代版西郷隆盛ともいうべき人が本当に必要なのかも知れないと、つくづく思った。