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2009年 11月 16日 月曜日

思えば、この場を登るのはおそらく50年以上ぶりではないか…小学校の遠足と言えば、決まって「布引の滝」だった。その布引の滝の雄滝茶屋で、仲間で集まってお昼を楽しむ事になった。途中、徳光院まで車で送ってもらい、そこから徒歩で6分。素晴らしい紅葉の下、路傍に転がるドングリを拾いながら… 浮世を忘れてゆっくりと歩いた。若かりし頃、「あんな滝なんか」と思って小馬鹿にしていた事の浅はかさを、痛感した。

今、まだ来ない仲間を、一人で滝の音を聞きながら待っている。立派な滝ではないか。神戸の人々を慰め、神戸のシンボルとなった滝。今も昔も変わらず、流れ続けている。神戸は良い所だ。都心からわずか15分で、南は瀬戸内海、北は六甲山に優しく包まれている。そうだ。昔行った神戸の名所を、もう一度巡る事にしよう。ポートタワー・王子動物園・諏訪山公園・烏原貯水池・六甲山牧場・須磨水族園…何か楽しくなってきた。


▲100年続いた茶屋を守り、
雄滝茶屋の奥さん、山口公子さんは、明るく優しいがんばり屋さん。100年続いた雄滝茶屋を守り、神戸を訪れる人々を心からもてなしてこられた、評判の良い方である。日本各地からおいでになる方々が抱かれる神戸の印象は、タクシーの運転手さんや茶店の人々の対応一つで変わってしまうから、これはとても大事なことなのだ。

以前、祖母が大阪の通天閣の話を良くしていた。行ってみたら、そこの売店のおばさんが、「私の店の前に立つな」「早よどきな」と言った ─ その事を思い出す。それ以来、テレビに通天閣が出てくると、スイッチを切る。


▲総勢21人で食事
待っていた一人がやってきた。続々と他の仲間も集って、21人で楽しく食事。が、夢のような一時はあっと言う間に過ぎ、2時にはまた、権謀術数の世界へ戻った。布引の滝は変わらないのが、これが人間の世界なのだ。