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2009年 11月 08日 日曜日

札幌ゴミゼロプラン広報誌
▲札幌ゴミゼロプラン広報誌
出張中日の11月6日、札幌市。旧乾邸の件を掲載するよう秘書に伝えた私は、その時、家庭ゴミ有料化について学んでいる最中だった。札幌市は立派なもので、家庭ゴミの回収を有料化にあたって、実に4年間に亘って市民と会話を続けたそうだ。

先ず、「環境低負荷型資源循環社会(都市)の実現」を基本目標に、平成26年度を目標年次として、平成12年度にスタートした「札幌ゴミプラン21」の一環として、平成17年4月に… 家庭ゴミ有料化の実施について、その是非を含め、どうするかを諮問。平成19年3月に回答が出るまでの間、市民意見交換会を各区で行うと共に、公聴会を催した。平成19年12月には市民意識調査も行ったそうだが、それらに先だって、有料化するという目標を市民に示しているのが良い。

有料化するのは…

  1. 有料化する事によって、各家庭が経済的な動機でゴミを減量すると共に、リサイクルに向かう

  2. 新たな財源を生み出す事によって、ゴミ処理の市民の費用負担が減る

  3. たくさんのゴミを出す人、少ない人との不公平をなくし、応分の負担になる


以上、3本柱の目標達成ためである。さらに、副次効果として、市民の協力でゴミが減量されると、現在稼働中の4カ所の焼却炉を3カ所に減らせることも示した上で、意識調査が行われた。


▲ゴミプラン21の説明をうかがう
この調査の結果がまた、興味深い。有料化賛成 18.5%・概ね賛成 37.6%・やむを得ない 30.9%で、実に87%の市民が賛成の立場。「有料化した時の一世帯当たりの負担金はどれぐらいが良いか」という問いには、一ヶ月500円〜750円 9.7%・750円以上 1.4%・250円以下 35.2%。このような市民意識調査を神戸市で実施したらどんな結果が出るか、興味深い。

こうした経緯を経て、平成20年6月に指定ゴミ袋を使う方式の有料化条例を施行。その結果、札幌市の一人当たりのゴミの量は、平成20年3月で650gであったのが、現在はおよそ400gと、政令指定都市で最小になった上、なんと31億円もの増収につながったそうだ。現在、一世帯当りの一ヶ月負担額は、およそ417円だという。市民へ排出ルールを説明するため、各地で実に2692回に及ぶ説明会を実施されるなど、ここに至るまで、大変な道程をくぐってこられたのだ。

有料化実施日当日は、職員5,000人と町内の人々がゴミステーションに立った。一方、議会での反対陳情も、300件あったそうだ。たとえ費用と時間がかかっても、やはり民主主義は最善なのである。