先ず、「環境低負荷型資源循環社会(都市)の実現」を基本目標に、平成26年度を目標年次として、平成12年度にスタートした「札幌ゴミプラン21」の一環として、平成17年4月に… 家庭ゴミ有料化の実施について、その是非を含め、どうするかを諮問。平成19年3月に回答が出るまでの間、市民意見交換会を各区で行うと共に、公聴会を催した。平成19年12月には市民意識調査も行ったそうだが、それらに先だって、有料化するという目標を市民に示しているのが良い。
有料化するのは…
- 有料化する事によって、各家庭が経済的な動機でゴミを減量すると共に、リサイクルに向かう
- 新たな財源を生み出す事によって、ゴミ処理の市民の費用負担が減る
- たくさんのゴミを出す人、少ない人との不公平をなくし、応分の負担になる
以上、3本柱の目標達成ためである。さらに、副次効果として、市民の協力でゴミが減量されると、現在稼働中の4カ所の焼却炉を3カ所に減らせることも示した上で、意識調査が行われた。
▲ゴミプラン21の説明をうかがう
こうした経緯を経て、平成20年6月に指定ゴミ袋を使う方式の有料化条例を施行。その結果、札幌市の一人当たりのゴミの量は、平成20年3月で650gであったのが、現在はおよそ400gと、政令指定都市で最小になった上、なんと31億円もの増収につながったそうだ。現在、一世帯当りの一ヶ月負担額は、およそ417円だという。市民へ排出ルールを説明するため、各地で実に2692回に及ぶ説明会を実施されるなど、ここに至るまで、大変な道程をくぐってこられたのだ。
有料化実施日当日は、職員5,000人と町内の人々がゴミステーションに立った。一方、議会での反対陳情も、300件あったそうだ。たとえ費用と時間がかかっても、やはり民主主義は最善なのである。