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2009年 10月 31日 土曜日

人と防災未来センターで語り部のボランティアの一日。熊本大学教育学部付属中学校2年生B班の生徒さんがたにお話しするというので、あらかじめ調べてみたらなかなかの名門。しっかりとした教育方針でご指導なさっている、その綱領の中に「響きあえ厳しい知性で」とあったのに相応しく、熱心に聞いてくれた。

ただ、困ったことに86人と教職員の方々すべてが、マスク姿。

▲それは、異様な風景だった
まるで、「マスクの上に目玉が二つ」。何に向ってしゃべっているのやら、異様だった。準備している間に、旅行社の添乗員さんと神戸市の新型インフルエンザの風評被害などについて話したら、この時期の修学旅行は歴史上まれだそうだ。きっと生徒さんがたが大人になったら「そうそう、あの時は全員マスクだったね」と大笑いするだろうという。そこで、彼女に頼んで、写真を撮った。仕事が手早く、テキパキと生徒さんたちを誘導。見事に撮影スタートできたのは、さすがにプロ。


▲真剣な眼差しではあるが…
まず、神戸市においで下さったお礼と、新型インフルエンザの風評被害について2分間話した。これも災害の一つ。いかに危機管理が大切であるか、「自分の身を守るのは自分である」と話してから、震災の話に入った。いろいろな学校を見ている中で、その質の良さと凛々しい姿はまず、No.1だったと言って良い。それは、訓練とか強制ではなく、知識を得ようとする意欲が感じられたから。うれしかった。私はこの生徒らなら分かると思い
「震災で我々が学習した事は、命の儚さと命の大切さ。分かった事は、人間の愛、家族愛、友人愛 ─ 愛だけは地震に勝てる。そして、地震がいかに残酷なもので、人間が自然を克服できると思い上がりの心が、人災を生んでいるのだ」
と分かりやすく話した。皆の目は輝いていた。修学旅行の最終日というのに、居眠りする生徒は一人もいなかった。

最後に質問を受けた。
「知事は震災後どれぐらいしてから自衛隊に出動を依頼したのですか」
実に的を射ていた。こちらでも相当問題になった点で、いい質問だった。帰りにお礼の言葉をもらって、恐縮した。副校長先生もお礼においで下さり、これ又恐縮。こんな立派な先生に学ぶ生徒は幸せだと思った。

送り出した後、A班でお話をされた語り部の方と「いい学校でしたね」とお話しすると、その方も「本当ですよ」と、同感。実は、中には困った学校も来るもので、我々にはよく分かる。それほど、当り前の事が当たり前になっていない事を悲しんでいる。

最後に、親切だった添乗員さんにも、このブログを介してながら改めてお礼を申し上げたい。実に、気持ちの良い一日だった。