▲伴参事と共に御紹介いただいた
神戸市は、人口約150万人。そのうち、勤労者70万人・学生30万人・観光客10万人。これだけの数の人々が毎日活動している都市で何が起こったか ─
- 4月28日
- WHOが新型インフルエンザで危険度フェイズ4に引き上げを発表
- 4月29日
- 神戸市、新型インフルエンザ対策本部を設置
- 4月30日
- 発熱センター設置
- 5月 2日
- 日本人が海外で感染した事例が出た
国より神戸市に海外渡航歴者のリスト送付 - 5月16日
- なんと神戸市で、日本初の国内感染者が確認された
市長がイベントの中止や学校の休校措置を取った - 5月28日
- 市長が「ひとまず安全宣言」を発した
こうして時系列に整理した事柄から、たった2週間足らずで神戸市が受けた風評被害などを分析。結果を受けて9月30日の中間提言に至る経過をご説明。特に、先日のブログで発表した新型インフルエンザに対するワクチン配布の実態が政府発表と著しく違っている事は、重大なポイントである。これらは、政府の危機管理能力が低いために起こっていて、県や市、市民は安心していられない事をご指摘申し上げた。
▲神戸モデルについて説明
このシステムが現実に稼働されない事を、今は祈っているのだが、しかし、この神戸モデルも完全ではない。私の不安は「情報の内容の重要性を誰が判断するのか」という点にある。
かつて戦国時代、桶狭間の戦いで、雨のため今川義元が鎧兜を脱いで休んでいた。この状況の知らせが織田信長に届いた。仮に織田信長でなかったら「あ、そう」で終わっていたのかも知れない。また、この情報を良い感性を持っていた通報者が得て“知らせるべき時"と感じたことも見逃せない。つまり、強毒性への変化を早く発見しないと、気付いた時には既にまん延している状況も考えられるのだ。さらには、この神戸モデルに則る以前の事についての説明がなされていない事も、気がかりである。
伴貞彦参事からは、ウィルスの性格等や、かつてのスペイン風邪の話。インフルエンザウィルス量と症状。また、今後の予測として「20%~30%の人が感染するかも知れない。そうなれば、罹患者は30万人~45万人位になる」といったように、やはり専門家として詳しく、しかし分かりやすいよう丁寧にお話しされていた。
何事も偏らず中道を歩むバランス感覚で、いつもマンションの住民の方々の安心と安全を気にしておられる大原弘史さんが理事長をなさっておいでのマンション住吉川。大変熱心に話に聞きいっておられる様子に、皆さんの危機管理意識の高さを垣間見た一時でもあり、有難く感じたのだった。