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2023年 02月 07日 火曜日

最後の夜は、けっこう冷えている上に、多忙すぎて時間がなかった強行軍の… インドはアーメダバード行。道中を共にしたのは、神戸市から今西 正男 副市長と、檀特 竜王 国際部長。議会から私と、日印友好神戸市議員連盟事務局長の山下てんせい議員他、職員諸兄。さらに、企業からの方々を加え、総勢20人の団体だ。

伊丹→羽田→デリー→アーメダバードと、乗り換えに次ぐ乗り換えで、1月29日の朝5時に家を出て、一日中飛行機で移動。最後の空港着は、22:55だった。

写真 サバルマティ駅で
サバルマティ駅で
目的は多岐にわたるが、大きな事案として、2024年1月24日久元きぞう市長と共にアーメダバード市との間に結んだ、友好都市として経済や観光農業人材交流などの振興を計るための共同宣言についての再確認と、コロナ禍で途絶えた企画の推進。さらに、アーメダバード市と、なんと人口1200万人という、インド最大の都市ムンバイとの約530kmを結ぶ、インド初の新幹線工事の進捗状況視察(写真)。そして、約束した日本庭園の完成状態の見届けなどだ。

さらには、企業の方々は、インド、特にアーメダバードへの進出の可能性や、インドとのビジネスチャンスがあるかどうかの調査が目的の様だった。

1月30日はアーメダバード市役所で、昼食を含めて二時間半、たっぷりとアーメダバード副市長といろいろ議論し、多くの提案もなされた。特に、市職員を相互に派遣して、よく知りあう事が確認された。また、今後お互いに訪問して、親善だけでなく実りある効績を生み出すことになった。

その後一時間ほど、グジャラート州政府科学技術省長官との意見交換会が開かれた。この方は実力者で、神戸にも一度来訪されて私も旧知の方なのだが、私が、「アーメダバード市と神戸市との共同宣言は間違っていなかったか」と質問すると、「間違っていない。インドで最も成長している都市で、経済・人材・環境・治安においても最上級。神戸を通じて、インド進出の窓口としては最高だろう」と、私をハグしてくれた。

その後、新幹線のサバルマティ駅工事を視察に行った。巨大な駅で、在来線とバスターミナルと新幹線が交流する、まさに新たな街の出現のような姿だった。私は予め、新幹線の車両を製造している神戸の川崎重工業株式会社に赴いて、調査しておいた。どのような車両をインドが使う気持ちなのか、インド側が用意したパンフレットに写真があったので、おそらくこれで川重の車両が選定されるのではないかと、心が躍った。しかし計画が遅れに遅れ、2023年には完成予定だったのに、まだ65%位しか進捗していない。インドでも大変な期待を担っている重要事業なので、今後の進展から目が離せない。

初日の最後は、グジャラート大学での夕食会。翌31日は、神戸にゆかりある会社が進出しているサナンド工業団地や大塚製薬を視察し、アーメダバード経営者協会を訪問した。

最後は夜9時まで、グジャラート印日友好協会での夕食会。そこでは、ここまで来るのに十年間、本当にお世話になり苦労を共にしたパテル会長と、きついハグを何度も交わした。彼は弁護士であり、商工会会長。追手門学院大学留学経験者であり、グジャラート州やアーメダバード市の高官と、太いパイプを持つ実力者である。

私にスピーチの場を与えて下さったので、この10年の苦労を語った。
「その目的は15年前、私は、世界の工場が中国からインドの時代になる。また、経済的にも世界への発言力も影響も大国になると予想して、インドが世界の工場となる時には、日本の窓口が兵庫県、神戸とグジャラート州になるべきと考え、インド議連を立ち上げ活動を開始した。今、インドが世界一の人口となり、ITの知識を持つ高学力の若い人材が多数いる国となり、20年前の中国と同じく労働者の月給が14,000~15,000円になっている。日本の熱い視線が、中国を離れインドグジャラート州アーメダバードに向かっている。これから我々が動き、真にアーメダバードと神戸市が交流の輪を広げ、実際に日本や関西の企業進出を助けて、またインドが日本でビジネスを行なうチャンスを掴み、両市のスタートアップの態勢を整え、安心できる交流をやるべき時が来た」
そして、続けて…
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「私と山下議員が初めてインドを訪問した時は、折悪しく洪水被害で市長にお会いできなかった。私は『神戸市民が納めてくれた税金で訪問している、遊びではない。市長に会わせてくれ』と言い募ったのを思い出した。市長との面談は無理だったが、パテル会長が電話で話をさせて下さったのだ。日本人とインド人の心が理解できる方だ」
と謝辞を述べた。すると、彼がいきなり近付いてきて「私の頭をナデナデしてくれ」と言うので、仕方なく彼の艶やかな頭を、心を込めてナデナデ。これにどんな意味があったのか、分からない。どなたか教えてほしい。

長い式典も夕食会も終わり、ホテルの私の部屋で、持ってきた酒で団結式を行った。20人がベッドや床にてんでに座り、山下議員が持参した紙コップやおつまみで楽しんだ。企業からは若い経営者が多く、「来てよかった」と言って下さり、これから今西副市長を中心に時々集まってインド会をやろう、との事になった。皆がインドの夜明けを信じ、神戸とのパイプ役、又はアドバイザー、又は主役となって下さると私は思った。

私は、その場で
「インドは自らを民主主義国家と言っているが、私はそうではないと思っている。人口15億人もの国は、民主主義ではやっていけない。強力な指導者と法律の力で規制をしていかざるを得ない面があると考えるからだ。
しかし中国と違うのは、英語圏であり、指導者の大半にアメリカ留学の経験がある。現在のアメリカの医者の三割はインド人という状況だ。つまり、法律が重んじられている。
インドでの成功は、いかに良いパートナーを見つけて力を合わせるか、という点にかかっていると思うのだ。その手助けを、神戸市とアーメダバード市がやらねばならない」
とスピーチした。

今西副市長が「安井議長の、インドにかける熱い思いに感動しました。そして同行して下さった、株式会社ユーハイムの河本英雄社長が、安井議長のパイプを太くしてくださる。アーメダバード市との提携ができて、本当に良かった。今後、両市の関係をさらに良くしていくのは我々の仕事だ」と語って下さったのは嬉しかった。

何のお土産も買えなかったけれど、大きな仕事を神戸市への土産として、持ち帰ることができた。多くを学び、実りのあったミッションだった。
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