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2022年 09月 09日 金曜日

向き合う時間は絶対にもっと長く必要だと、そう痛感しているのは… 議長の任期について。皆さんのお陰で、二度目の第104代議長に就いて、四ヶ月が過ぎたが、この間を11年前に経験した議長時代に比べて、思うことがある。

前回は、議会の憲法と言うべき議会基本条例を作るため、議員全員がよく勉強し、議論していた。もちろん私も、多くの本を読み、勉強した。今回は、そのような大きな目的は無いが、神戸市は指定都市だけに、いつも多くの案件を抱えており、なかなかに多忙だ。

ただし、それらについて当局からの手厚い報告はあっても、相談はない。そして何より、市会事務局が、以前よりさらに議長よりも当局側になりつつあるように思えるのだが、これが、問題なのだ。

通常は私の話をよく聞いて下さるし、懇切丁寧に対応して頂けるので、ありがたい存在だ。だが、当局からの報告が議会の議決案件である場合、議長として慎重になるし、今までの議会内の意見を知っているだけに、厳しくお伺いする事がある。そんな時、市会事務局は当局に「議長にもっと詳しく、よく調査して報告してほしい」と言ってほしい。つまり、議会の為に補佐してほしいのだが、逆に当局の意図に沿っている事がある。これでは困る。

いかなる議長でも、事務局が当局側についてしまうと、調査能力のない立場では議長は『飾りもの』にしかなれない。当局の報告が、本当に正確なのか。その案件がどのような理由で、どこから出されたものか。背景はどうなっているのか等、知っておくべき、知らずには済ませないポイントは多い。

例えば、ある局が冷凍倉庫建設の費用について、当初予算より65%UPしたいと報告してきた。コロナで、物流が止まったからだという。倉庫内が満杯になっていて、今後さらに必要になると主張する。私は長年の勘で「コロナのせいにしているが、実はそれは一部に過ぎず、違う大きな理由がきっとある」と思って、コロナでどのような物が溜まっているのか等を聞いた。すると、案の定しどろもどろの返答になる。「今回の報告は聞かなかった事にする。改めて局長に来てもらいたい」と申し上げて帰ってもらった。

その後、ベテランのある議員と相談した。この議員もさすがで「議長、私も不思議に思っていた。もしかすると、何か違う目的があるかもしれない」と言う。
そこで、本来なら事務局にお願いし、事実確認をしてもらうのだが、その気分になれず、他の信頼する議員に調査をお願いした。私も知り合いの社長に電話で調査すると、倉庫はガラガラに空いているとの事だった。

後日、局長が議長室に来て、「議長、これは私たちの積算ミスで、コロナが大きな原因ではありません。議長に、真摯に対応しなかった事をお詫び申し上げます」と頭を下げた。訪問からわずか20秒で、話は終わった。

この頃、市の積算能力は確かに落ちているが、当局の『議長に対して真実を報告する気持ち』も落ちているように思う。うまくごまかそうと考えているなら、その腹積もりが怖いし、まずあってはならない事だ。

私が心配する議会軽視の傾向を防ぐためにも、真に市会事務局とファミリーになるためにも、議長の任期を今の一年制から二年制に変えるべきだと、そう思うのである。