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2022年 08月 23日 火曜日

一人の、多くを担われた地方政治家との別れ方としては、どうにも淋しいと… そう思ったのは、井戸 敏三 元兵庫県知事の喜寿を祝う会。

8月21日にホテルオークラで催されたこの会には、私も議長としてご招待を賜り、スピーチの時間を頂戴した。井戸元知事と私とは、多くのつながりがある。その分、たくさんの思い出を伝えたり、感謝を申し上げたりしたかった。しかし、私に与えられたスピーチの時間は三分に制限されていた。

そこで、どうにかこうにか、うんと絞って

  • かつての山手(県庁)と浜手(神戸市役所)の戦いから脱し、完全に県と市の蜜月関係に繋げ、二重行政の解消をほぼ完成させた事。
  • 神戸空港の建設に関して、大変お世話になった事。
  • 関西広域連合を結成し、東京と対抗しようとされた事。
  • インドとの間に大きな橋渡しをして下さった事。

の四点にまとめた。

井戸さんはインドのモディ首相とは親友で、モディさんは日本に来た時、東京の後に必ず井戸さんに会いに、わざわざ兵庫県に来られるほどだ。そのご縁で、兵庫県とモディさんの出身地のグジャラート州との友好提携が結ばれた。またその後、この御二方と久元市長のお陰で、アーメダバード市と神戸市の経済提携宣言に至ったのだ。

私は、それぞれの事をつぶさにお話ししたかった。神戸空港は、2025年には国際空港に向かうべく、活動を始めている。こういう場合、県からの助力は必須だ。インドとの関係でも、私個人としても、ここまで来るのに井戸さんのお力添えがなければ、困難は如何ばかりだったろうと思う。

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私の前に壇上に上がった県会議長も、同じく三分の制限を受けていた。だが、どうやらこのお祝いの会の主催者は芸術家の方が多かったようで、我々政治家の趣旨や思惑とは、違いがあったようだ。芸術家や学術家の先生方には充分に時間を取っておられたので、私のスピーチはその中で完全に浮き、すべってしまっていた。このタイミングでのお祝い会なので、井戸元知事への感謝の会だと思っていたのだが、本当に純粋に『喜寿をお祝いする会』だったようだ。

それでも、会場の約300人もの人々が、ただそれだけを思って来られたのか、疑問を抱いた。それなら、別に感謝の会をおやりになるのか、この会でお仕舞いなのか。兵庫県知事としてだけでも、5期20年。多くの功績を残した方だけに、これだけではあまりにも淋しい気がしたのだ。

知事交代の問題は別として、これからの県と市との関係について多くの種を蒔いてこられた井戸さんだけに、どうか別の機会があるようにと、期待している。
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