Skip to main content.

2022年 03月 31日 木曜日

何の為に、なんと馬鹿なことをしたのか。戦争やテロは、命だけでなく、その人の将来を絶えさせる… ひどいものだと、そうつくづく実感したのは、3月29日のこと。

インドのサンジェイ・クマール・ヴァルマ大使から、インド議員連盟の主だった者に、英文の招待状を頂戴した。なんと、故 中村哲医師 … あの、アフガニスタンの人々の為に1600本の井戸を掘り、クナール川から水を引く27kmの用水路他9カ所もの堤を建設する大規模なプロジェクトを実施して、16,500ヘクタールの農地を回復させた方にまつわる事だ。

日本人のお陰で、農民が豊かになり、雇用が回復して65万人の人々が恩恵を受けたのだが、2019年12月4日、アフガニスタンの東部ナンガルハル州の州都ジャラーラーバードで車で移動中に、武装勢力(パキスタン・タリバン運動 通称TTP)に銃撃され、殺害された。

写真
その日本人にインド政府が、民間人に与える栄誉賞であるパドマ・シュリー勲章を授章したのが、2020年。29日は授与式で、中村哲医師の長女、中村秋子さんが勲章を受けとられた。挨拶では、「家では、寝て、食べて、テレビを見る、ごく普通の父でした」と、涙ぐみながら語られ、集まった人々の胸を打った。

会場にはインド関係の人々が日本中から来られていた。会場が神戸のプラザホテルだったのは、兵庫県が災害支援などでモディ首相と長年親交を持ち、グジャラート州と相互協力の覚書を締結。神戸市も同州の最大都市アーメダバードと経済交流を促進する文書を交わしていて、そうしたご縁からだそうだ。

いずれにせよ、インド政府が日本人の功労者を叙勲されるとは…。私は、「人間の真心と愛は世界中で通じるという証だし、インド人の心の広さに感動した」とスピーチで語った。

私もまた日本人として、インド政府から、偉大な功績を残された中村哲さんの心を、もっと大切にせよと教えて頂いたような気持ちになった。
写真
写真