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2022年 02月 15日 火曜日

さすが日本一のインド人だけあって、小柄であっても堂々たる風格と対話術が見事で、後味が良かったのは… 比良竜虎(ヒラリュウコ)社長との面会。

久しぶりに、在日インド人でも一番の成功者といえる彼から、所有するホテルグランパレス神戸で会いたいとの連絡が入ったのだ。私も彼と会って、インドと神戸の将来について語りたかったところだった。

貴重な時間だったので、在大阪・神戸インド総領事のニキレーシュ・ギリ氏に連絡すると、ぜひ出席したいとの事で、彼と、議員仲間でインド議連事務局長の山下てんせい議員。それに、インドに同行して下さった岡田ゆうじ議員との四人で、充実した会談の時を持った。

現在、60を超えるホテルを率いるホテルマネージメントインターナショナルの創業者で社長の比良氏は、日本の政財界人との交流も広く、日本語堪能で歴史もよく知っておられる。

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私は、「必ず、インドの時代が来る。その時は、インドとの太いパイプを神戸で持ちたいと思っている。そのために、力を貸して欲しい」として、「そのための神戸の売りは、医療産業と農業。小さな事では、インディアメーラーを成功させることとや、インドと日本の国交樹立70周年であり、神戸市立博物館にインドの国宝級の絵画が展示されるが、この機会に神戸の人々により深くインドを意識して貰いたいので、メディアでのPRのスポンサーになって欲しい。さらには、インドのIT人材を神戸に受け入れての企業への人材支援の基地として、六甲山等の利用はどうか」と、幾つもの提案を彼に投じた。

彼は微笑みながら、静かに聞いて下さった。まず、ニキレーシュ・ギリ総領事が来て下さった件のお礼から始まり、日印関係の歴史を語って下さった。

インド商工会が日本に創立され百年以上になるが、その申請時の申込金が40銭であった事。今年は国交樹立70周年とインド独立75周年に当たり、このホテルのあるハーバーランドは30年になるし、ホテルは創立10周年に当たる。つまり、全ての節目に当たる大切な年になると、私が知らない事まで教えて下さった。

私の提案で強く否定されたのは、IT関係の人材を日本で確保する事だ。「今、世界中でインドのIT人材が求められていて、日本にはまず言葉、家の提供、さらに給料が格段の差と、多くの問題があって、大変難しい。これは、かつて森喜朗元総理がITを日本で推し進める法案を作ろうとしたが、反対にあって出来なかった。日本の失敗だった」と語られた。さすが、日本の政治に精通しておられる。

私は多分、官僚が反対したのではないかと思ったが、彼は、神戸が悪いのではなく、日本が失敗したのだと微笑んだ。

一方、医療 ─ 特に製薬ではお互いに助け合えるし、農業も期待できるという。だが、日本でのインド人は増えているが、神戸では減っているのが気になると、チクリとくぎを刺された。次いで、ニキレーシュ・ギリ総領事が私を、「総領事の役目を果たして、助けてくれている」と持ち上げて下さった。

我々議員三人を、彼が考えている節目の記念行事に招待したいと言い残して退席されるまで、約一時間。私は、お土産にナダシンのおはぎをプレゼントしたが、きっと、私が感じたのと同様、甘くすがすがしい後味を感じて下さっただろうと思える、しっかり手応えのある会談だった。

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