涙が出てしまうのは、単に秋だから、ではない。11月に入って、
私は、淋しい気持ちになっている。来年また、妹と共にハイビスカスを見たいと願っている、毎日楽しませてくれたハイビスカスが、最後の花を咲かせて、冬眠に入る。
昨八日月曜には、別れを惜しむように力一杯咲いてくれた。我が家の狭いベランダには七本のハイビスカスがある。赤が四本、ピンクが一本。黄色の二本は、昨年三本の内一本が冬眠に失敗したものの、奇跡的に元気に生還してくれた、その二本だ。
実は、妹が医師から年内と告げられたという。
元気よく電話してきてくれたが、娘はひと晩泣きつくしたそうだ。私も、目を赤くした。
今年は、ハイビスカスを防寒のためのビニールのカーテンで囲み、教えてもらったように水をたっぷりあげ、植木鉢をひと回り大きくして、一冬を共に暮らそうと思っている。今は、奇跡を願いながら…