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2021年 11月 02日 火曜日

先日、東灘事業所に行ってびっくりした。第一線で市民のために働いて下さる事業所としては気の毒なくらい、古くて劣悪なのである。狭く、応接室もなく… トイレは旧式だ。それでも、きれいにピカピカにして使っておられる。本庁の環境とは、大違い。もっと現場を大切にしないと、勤労意欲に差し障りかねない。

折から三選された久元市長には、全市のそういった現場を見てあげて欲しい。三宮再整備も必要だが、その前にするべき事もある。現場の職員への意識を持つことが、先ずは大事だと思ったのだ。

さて、なぜ東灘事業所に行ったかといえば、前にも書いた、東灘区に、旧ヘルマン屋敷跡、通称ヘルマンハイツという高級住宅街があるが、そこのKさんからゴミステーションの件で相談された、不法投棄のためにカラスが荒らすという、どこにでもある問題に絡んで、だ。

写真 折りたたみ式ボックス型ネットステーション
自治会と神戸市環境局東灘事業所の馬渕滋所長とで会談が持たれ、馬渕所長から、ボックス型のネットステーション設置案の提示があった。

自治会は、前向きに捉えて設置する方向で検討を始めたが、問題があった。自治会側は、毎週決められた時間に設置し、また片付けるという労力がかかる。神戸市側には、一時的にせよ道路を占有するといった問題があり、もしここで、神戸で初めて許可したら最後、神戸市中あらゆるところに設置されれば、自ずと交通の問題等が予想される。

許可の判断は、本庁に委ねられた。馬渕所長も本多総作業長も、自治会の側に立って本庁に説明して下さっており、私は、これは神戸市行政が市民目線に変わっているかが分かる試金石だと思ったから、静かに見守った。

今までの市長なら、まず、前例が無いとして許可しないはずだった。しかし、今回は特別に許可された。自治会組織がしっかりしていて、行政との意思疎通も出来ており、また地形的にもまとまっているのがその理由で、神戸市初の許可が降りたのだ。

私は嬉しかった。まだ自治会として、約4万円のボックスステーションが購入されるかどうか、まだ決まっていないが、サンプルを見せて頂こうと東灘事業所に行き、丁寧にご案内を頂いた。

写真 折りたたみ式ボックス型ネットステーション
折りたたみ式で運ぶのにも軽く、一枚のベニヤ板のように保管できる、良いものだった(写真)。自治会が認めて、神戸で初めてのことに挑戦して欲しいと願った。

ヘルマンハイツの自治会とは、古く長いお付き合いだ。ヘルマンの道路を市に移管されるのに、当時の自治会長の会計上の疑惑事件や、阪神淡路大震災での擁壁崩落。法面への高いマンション建設の反対運動での、自治会長に対する損害賠償事件や、バス通行の件など、これ迄いろいろと相談を受けてきたのだが、そうした歳月を経て、自治会は変化成長してきた。

地区住民の特性故か、何が起きようと振り子の復元力が効いて、正当に戻ってこられたのだ。今回、もし実現すればまさに自治会の成果であり、行政の判断基準が、自治会と地域の実態に沿う目線に変わるのが、何より喜ばしい。久元市長が選挙で掲げられた「まちづくりの推進」は、きっとこれから、地域の実態に沿う目線で実現して行くことだろう。