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2009年 09月 04日 金曜日

一昨日から、貴方が殉職された原因と今後について、調査委員会の報告書に基づいて私なりの考えを述べてきた。それは、貴方が殉職された現場(第4工区)がたまたま私の選挙区であり、その現場に6月1日に駆け付けたあの日から、貴方の死を無駄にしてはならないと今までずっと思い続けてきたからだ。

▲献花に現場を訪れた翌日

貴方とは生前、一面識もないが、殉職後私は現場に花を供え、お別れ会に最後まで居た。議会の会派でも、東灘区の議員団も、皆が賛同してくれて、お見舞金の提案に至った。それは私の呼びかけではなく、貴方の果たした、勇敢で職務に忠実な行動が、人々の心を打ったから。私は、その心を打たれた一人に過ぎない。

阪神大震災の時、いろいろな役人を見た。職場放棄した役人、家族に負傷者や死人が出ても歯を食い絞って職務についていた役人…それらは、その人の持つ哲学なのだと思った。議員もまた、同じだ。


▲7月6日、神戸市消防葬にて
報告書を読んで、立派な報告書だと、高く評価している。しかし同時に、速水力さんの殉職の原因は、貴方の力量や装備の問題ではなく、神戸市消防局では成し得ない、もっと大きな国の考え方に問題があったのだとも思っている。報告書の中にも、今回の火災と同様に可燃性断熱材をコア材としたサンドイッチパネルを大空間に用いる時は、使用に制約を設けるべきであり、建築基準法が人の安全な避難を確保する主旨なら、神戸市は“国土交通省等、関係機関に対し安全避難の観点で必要な対策を講じるよう求める必要がある”と控えめではあるが、書いてある。

企業にとって建築費が急激に増大するようなら法改正は避けるべきだという言い分を頭では理解しているが、一方で、速水力さんの殉職をきっかけに、国が何かの対策をしない限り、同じ事故が起こるとも思っている。私は貴方の為にも、消防士の為にも、訴え続けようと思う。

私は、貴方の殉職から多くを学んだ。貴方の上司は「議員。この頃はお陰さまで、火事が少ないのはいいのですが、逆に実践で学ぶ機会が少ないのです。技術の伝承が難しいのです」と言っていた。ならば、実際の訓練の費用を確保しなければなるまい。貴方の事は決して忘れないし、訴え続けていく。その約束を貴方と交わし、今を持って、私と貴方の本当の告別式としたい。

貴方の勇気は、市民の為に尽くされた、市民の為に生きた貴方は、市民の為に死せり…