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2009年 09月 03日 木曜日


▲久しぶりの再会
一昨夜、私の妻方の親戚ジェフ君夫妻が来神。親戚のゆかりちゃんは子供のころ、我が家によく遊びに来ていた。やがてフランスに留学し、素敵なジェフ君と結婚。

今回は、20年ぶりの神戸。一緒に、私の好きな青木にある「周山」という和食の店で食事を楽しんだ。ジェフ君は日本人より煮魚の食べ方が上手で、茄子の煮物、タコのやわらか煮、それに刺身が大好き。日本人以上に日本人っぽいフランス人だった。日本が大好きで、神戸を気に入ってくれ「きっと住みやすい街だろう」と言う。彼は報道関係の会社に勤めていて、世界各地をよく知っている。確かに関西にいる外国人は、仕事は大阪、住まいは神戸の人が多い。「それが神戸の誇りだよ」と言って、私も自慢してしまった。神戸の持つ、明るく開放的で人の事に頓着しないのが良いのかも…と、また神戸を好きになった。

さて、ところで昨日の続き。なぜ…

▲問題の内装用サンドイッチパネル
わずか5分で火煙が充満して、速水力隊員が殉職せねばならなかったか。

従業員の第一発見者が、午前10時12分に背中越しに「ポン」という音で振り返ってみると、フィルタータンクからオレンジ色の炎と煙が噴出していた。初期消火は困難であったらしい。従って出火場所はフィルタータンク内だが、原因はまだ調査中とあるが、ここが問題。

出荷箇所のフィルタータンクの上部には吊り天井があり、サンドイッチパネルでできている。そのパネルの素材であるウレタンが可燃性で、しかも着火しやすい状況であるにもかかわらず、フィルタータンクと吊り天井の間隔は10㎝程度しかなく、ウレタンに着火し延焼した。

さらに、当該パネルが加熱されると発生する可燃性ガスは、時間と共に増加した。ガスを一時的に遮断していた加熱側鋼板が脱落。と、同時に可燃性ガスが放出され、一気に炎と多量の黒煙が発生した。さらに、加熱側鋼板の脱落が連続的に生じた。これでは、次々に爆発が起こっているようなもので、室内で消火に当たっていた消防士もたまらなかっただろう。

ところで、今回のサンドイッチパネルのように可燃性や着火性が高くしかも可燃性ガスの出るパネルは、建築基準法の規制においては不特定多数の出入りするホテルや百貨店などの特殊建築物や、延べ面積が1,000m³を超える建築物では、居室やそれに通じる廊下・階段の天井・壁には使用不可。これらの所には、準不燃材料の性能を持つ質材が求められている。つまり、人間が多くいると思える所では使用できないが、倉庫などでは使用可能なのである。

報告書には「今回の事故は予測できない急激な火災の拡大により、事故が発生した」とある。確かに速水力隊員はそれで殉職された。しかし、報告書には同時に、外国の事例が示されていた。同じような事故により、1993年4月から2008年4月まで、韓国では158名・イギリス2名・ドイツ17名の死亡が示されている。韓国では多数の出入りする建造物にも使用されていたようで、日本の規制は正しかったのであるが、この事を日本の消防庁がすでに知っていた事を示しているのでもある。

この事実を生かして、倉庫にも何か法的な規制をしていたら、速水力隊員は殉職せずに済んだのかも知れない。もちろん建築費の問題もあり、倉庫にまで適応したら企業の負担は増大することになってしまう。が、危険を知っていたなら消防庁は建築基準法で表示させるとか手だてをするべきであって、その事が、速水力隊員を殉職させた大きな原因の一つでないかと私は主張したい。

この処置については、一自治体の神戸市消防局では無理で、外国の実例も知らされていない現状では、まさにやむをえなかった所である。従って、今回の殉職の責任を小隊長や装置や現場の判断・不注意に転嫁させては、速水力隊員がかわいそうだ。国は直ちに知恵を出し、対策を出すべきである。

明日は、さらに検証を続けたい。