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2021年 01月 08日 金曜日

市民からのイジメやコロナ等のご相談への対応で、多忙が続いた新年の事務所では、むろん様々な方から年賀のご挨拶もお受けしたが… その中に、心温まる報告があった。

星加裕信さんが、顔色を変えて事務所に飛び込んで来られたのは、昨年9月。尼崎の有名な病院に父親を診察に連れて行くと、ガンを宣告され、病院で治療するには手遅れだという。ホスピスを紹介すると言うだけで、何もしてくれないと仰る。

子として、こんな悔しい事はなかろう。お父上ご自身、生きたい意欲で歩行訓練を続けておられるのにと、何もしてくれない病院への怒りを私に訴えられた。私が神戸市の市民病院に相談すると、まず診察しましょうと仰り、診断の結果、翌日に手術。父子は大変喜ばれた。

裕信さんは、「子として出来るだけの事をしてあげたかったので、嬉しかった」と仰られた。その後、何度か私に父上のご様子を伝えて下さった。自宅で頑張っている父上は、息子兄弟二人の車で病院に通い、喜んでいるとの事だった。

写真
1月6日、その星加兄弟が事務所においでになり、父上が「昨年12月29日に亡くなりました」と、穏やかな笑顔で私に告げて下さった。生前、父上がカニが食べたいと仰り、東部市場で一匹三万円のカニを何度も買って、お腹いっぱい食べては「私は幸せ者だ」と言ってくれたと、兄弟で、笑顔で私に語ってくれた。その食事を終え立ち上がったところで、肝臓が破裂して亡くなったとの事だった。85歳だった。

星加兄弟は、神戸市民病院の親切で思いやりのある対応に、本当に感謝しておられた。神戸市民であって良かった、とも言って下さった。尼崎が悪いとは言わないが、神戸市民病院の対応は良かったと思う。

星加兄弟は、父上が大阪で経営していた大きな鉄工会社を二人で継がれており、うまく行っているとの事だ。この、親孝行のお二人に拍手を送りたい。
写真 星加兄弟と