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2020年 10月 16日 金曜日

神戸市の発展に多大な貢献をされた月刊のメールマガジンが… いつのまにやら配信を終えていた。

それは、2018年3月末に解散した公益財団法人 神戸都市問題研究所が発行されていた、学者や行政マンが主に神戸市や日本における様々な行政策や事例等について、考え方や解析、報告などを掲載した、小論文集的な雰囲気を持つ高質な有力メールマガジン「都市政策」だ。

私は、議員の中でも有数の愛読者であったと自負しており、議員活動では本当に役に立った。市が出してくる政策の意味や狙いがよく分かったし、危険な面も良く分かった。

中でも、よく使われた行政指導や調査費、基金といった語が、近ごろは見られなくなっていた。まさに、その当時の政策の必要性が表れていて、政策が生き物である事が分かり、興味深い。

私のミスで、いつの間にかメールマガジンが届かなくなり気になっていたが、最近同メールマガジンが終了したと知り、慌てて議会図書館に行って、保存のために印刷された最後の「特別号’18.10」を拝読した。これは、神戸行政における重鎮、経済学者の新野幸次郎 神戸大学名誉教授・神戸都市問題研究所理事長(当時)の、2007年2月から2018年3月まで、133回にわたる巻頭言をまとめたものだ。

その「むすびに代えて」を拝読すると、いろんな事が思い出された。同研究所は財団法人で、1975年3月設立。新野幸次郎教授は、1991年3月から研究所長に就いておられた。「神戸市で永い間お世話になってきた老人の独り言としてでもご笑読下されば」とご謙遜されているが、実に広く深いエッセイ集になっている。

私も「地方分権についての提言」という小論文を書きあげ、1600もの懸賞論文中二位に入ったので、都市政策に掲載して欲しいとお願いしたが、議員はダメと断られたのだった。

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そうした思い出の数々から、最終版である特別号の保存用印刷物を手許に保管したくなった。企画調整局企画課の民部正幸課長に探して欲しいとお願いした所、課長から、そんなに愛読して下さっていたのなら私の手元に一冊あるので差し上げます、と仰る。「それは困る。お互いに、大切な物だから」と固辞したが、昨日、議会の私の部屋の机上に置かれていた。お礼の電話をかけて、谷口企画局長の御厚情があったと分かった。

これで最後だと気付くまで間が空いてしまったが、温かなメールマガジンとの別れだった。ぜひご一読をとの133回目の巻頭言「老いて学べば寿し」を心に刻んで、学び続けたいと思う。