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2009年 08月 26日 水曜日

草木も眠る…というには都会の、東灘区の深夜1時20分、けたたましいベルが鳴りだした。目覚まし時計のようなベルが激しく鳴るので、ハッと起きて我が家かと思ったが、違った。隣りか、あるいは廊下か…しかし、違った。1時35分頃になって、なんと、西向かいの新しいマンションからだと気付いた。人が集まっていたが、原因は分からない。私も服を着て、向かいのマンションへ行った。

▲各戸を確かめてまわる
近くの交番から警察官が4人。加えてパトカーもやって来た。消防は1時40分頃に到着。まだベルが鳴り続けている。警察が各戸の玄関を見て回るが、異常はないという。消防が管理室に入り掲示板を見て、3階だと言いながら上がって行って、各部屋のインターホンで呼び出すと、出てこない室が3室。


▲やっと警備会社々員到着
▲この頃になって、やっと警備会社がやってきた。時間は2時を回っていた。遅い、実に遅い。警察官や消防から質問されるが、分からない。とりあえずベルは止められたが、何が原因で、どこの部屋だかが分からない、またベルが鳴った。また止めた、またベルが鳴った、また止めた…

消防士が「部屋の中の警報ボタンに誰かが触れたのかもしれない。室内の電話パネルはどうなっているのですか」と聞くが「分からない」という。警察官が「どんなときに鳴るのですか」と問うと「煙やガスが充満していたら」。だったら原因を探らなくてはならない。私もそう思った。また違う警察官が「誤作動はあるのか」と聞く。「古くなったら、時にはあります」と警備会社。だが、このビルは、昨年建ったばかりで、あり得ない。

▲相談をする警察官ら
またベルが鳴る。掲示板の3階で、ランプ点滅。また全員で3階へ上がり、一軒一軒訪ねる。2部屋が無反応だったが、空き部屋かどうかわからない。私と消防士とが管理室に戻って考えていると、またベルが鳴る。今度は5階にランプ。2人で5階へ上がって行った。エレベーターは自動的に停止しているため、非常階段を上がる。あの重い装備で駆け上がる姿に「さすが我が神戸市消防士」と思いつつ、私も駆け上がったが異常はない。また、みんなで考える。


▲携帯でどこぞと相談する警備会社々員
安眠を妨げられ、腹の中では「こんなに人々に迷惑かけているのに、知恵を出すでなし、知識も薄い人に振り回されている」と思いつつも、警備会社々員に「もっと応援を呼んだら」と優しく言う。しばしの沈黙の末、やっと彼が出した提案は「一度全部戻して、何かあったらまたベルが鳴るから、待つ」。

私は黙った。もし、どこかの部屋で火災が発生していたら…もしガスが充満していたら…。でも、プロに従うしかない。しばらく待った。またまた鳴った。また止めた。この段階で、2時40分。彼は一人ビルから出ると、何やら携帯電話で相談していた。私は、呆れて帰宅した。プロがいるのだし、邪魔をしても…と思ったからだが、内心、怖い。機械化し過ぎて、素人では分からない。たった50軒ぐらいの管理なのに、なんでも機械に頼ろうとする癖があり、その上、その機械の表示に頼りすぎてもいる。

昔なら、隣近所顔見知りであるから、声を掛け合って確認し合っていたところだが、隣の人も分からなければ、空室かどうかもわからない。50軒ぐらいドアを叩いて起こせばいいようなものだが、それができない。警備会社も本当にプロなのか。対価に値する知識があるのか。その社員は原因不明で帰っていった。同マンションの住民はもとより、近隣の住民だって、気持ちが安らぐはずもない。明日にでも原因を知りたいものだ。

それにしても、駆けつけた4人の警察官と3人の消防士は、深夜にもかかわらず、職務とはいえ本当によく努めて下さった。ありがとう!!