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2020年 01月 14日 火曜日

局長が良く調べて下さって、市民の意見を通して下さった胸のすく一件があったのは… ある神戸市の局での件。

ある日、私に神戸の大手会社、A社の社長から相談があった。「金銭の事で言うのでは無いが、道理が通らないから怒っている」と仰るので状況を聞くと、8年前にA社社所有の貸しビルでの漏水の件で指摘があり、A社が水道料金を「神戸市に払い過ぎており、返却できるので手続きして下さい」との事だったという。A社としても、テナントに迷惑をかけてはいけないとの思いから、1・2階について応急で処置した。

3・4階は、テナントが埋まるまでには処理できるだろうが、早く処理をしようと思った常務は何回か神戸市に相談し、市は業者紹介等を指示する、といった事を繰り返したのだった。

やがて、8年目に3・4階のテナントが決まり、1・2階の払い過ぎた金額の返却を求めた所、不可となった。時効の10年に近いためだという。「すぐ処理をして下さいという行政指導に従っていない」のが、不可の理由だった。

A社の言い分によれば、この件で何回も問い合わせたが、「時効がある」という大切な話や「すぐ処理して下さい」との指導は受けていない。又、そんな要項がある事も、教えて貰っていない。言って下さればすぐ処理したのに、今になって言われても、と怒っておられるのだ。一方の市側は、「すぐに処理するのが市民の務めだ」と主張する。

私は、市の指導に従わず、自分だけのために行動する市民は多いが、何の咎めもないというのに、これでは不公平だと思った。

この会社は、税務署から最優良表彰を受け、市関係の税での滞納もなく、多くの社員を抱え、市に貢献する優良会社であり、市民なのだ。だからこそ、税務署に当然申告するべき市からの返納金を8年間も放置しているのを良心が許さず、公認会計士からも注意され、その度に、何回か市に問い合わせていて、その記録もしっかりとノートに残している。

市側からの「早く処理をして下さい」「要項があります」「時効があります」といった注意は一度も無く、まるで後出しジャンケンのように市民の義務を怠ったと言われても、それでは、市の説明及び通知義務はもとより、親切な指導が無く何回かの問い合わせにも的確さが欠けた事についてはどうなるのか? 私は、同感の意を表した。

ところが、良くある事だが、一旦係長がダメと判断すると、課長も係長を庇ってダメと言う。役人同士庇い合って、色々な理由を付けてくる。いかに市民が的を得ていようが、この役人根性に負けてしまう。これが、長年続いた神戸市政だ。

しかし、今の市長は役人の仲間意識を見直し、公平に扱われる。いわゆる市民目線からも見るように指導されていて、少なくとも局長クラスまでは、市長の意識が浸透してきた。私も嬉しいし、A社社長も、「神戸市のために頑張って下さった」と仰っていた。

市政は役人のものでは無く、ヤカラの市民のためでも無い。良き市民のためにある民主主義は難しいが、もう一歩で、市長の思いは課長係長まで届く。市長には、頑張って欲しい。