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2019年 12月 16日 月曜日

この件で最初に私の勘が働いたのは、飛び降りた当時、平成29年12月23日の各紙が報じた中で、神戸新聞記事中、最後に「退学を迫るような言葉もあった」と書き加えられていたからだ。これが無かったら… これまでの私の発言も、なかっただろう。早いもので、今日で六甲アイランド高校の第三者委員会の調査報告書を手にして、5日がたった。

その間、何か仕事を終えたすがすがしい気持ちと、議員のはしくれとして役割を果たせた事への感謝の気持ちと、名も知らず顔も知らず今は障害者となって人生に大きな変化をきたした少年の訴えが闇に消えなくて良かったとの思いが、私を支配していた。

それは、かたき討ちとか仕返しといったものではない。

なぜ、少年Aは5階から飛び降り自殺を図ったのか。その原因が明らかにされるべきだと思い続けていた。もっとも、決して指導した先生が悪いと思っているわけではない。きっと、被害者Dさんを守り、心を寄せるあまり、A君の為を思って強く追及したのだと思う。しかしその結果としては、指導の仕方に多くの問題があったのだから、私たちはそこから多くを学ばなければならない。

私がこの問題に気付き、本当に粘り強く発言を続けたのには、二つの理由があった。一つ目は、先生の指導の中で、退学、或いは自主退学を迫る言葉が使われたのではないかという疑念。二つ目は、議会への報告が皆無で、隠蔽の可能性が感じられたこと。いわゆる「議会軽視」があるのだ。

私は、これら二点に絞って、平成29年12月23日から発言してきた。それは、私の経験した、かつて扱った類似の問題で、高等学校は義務教育でない為、都合の悪い生徒は学校から追い出す傾向にあるのではないか。或いはまた、わずかな事が原因で追い出された子供たちが迎える大きな人生の転機。しかもそれには、誘導によって自主退学の形が取られている。

私は、何人かの退学者または転校生に会って、そう感じていた。そんな私が、偶然にも文教こども常任委員会に配置された。以来2年間、この件を追い続けてきた。そして、この報告書を食い入るように読み返し、赤鉛筆で傍線を引いた。

なんと優しさの中に淡々と真実を求め、そしてはっきりと原因を明らかにして、今後私たちが気にしなくてはならない課題が指摘してされていた。私は、これまでにも多くの報告書を読んだが、公平さにおいても、最高の報告書であると思った。

実は、この件で良き友人を得た。岡田ゆうじ議員が、懸命にサポートして下さったのだ。彼の議員としての感性は。凄い。六甲アイランド高校に行って現場を見ておこうとご提案され、準備もして下さるなど、正義感と責任感のある議員だった。

また、二回しかお会いしなかったが、A君の弁護士野口善國さん。年は私と同じく76才~78才の、温厚な方だ。私たちはライオンズクラブに入っているライオンマンで、私は先生に「何が目的ですか? 金ですか?」と聞いた。彼は「真実です。このまま闇に葬られる訳にはいきません」と仰った。それだけで、私たち二人には十分。後は、ライオンズクラブの話だった。

ただ、彼は議会がここまでやって下さるとはと、何度も口にした。「先生、これは議会の仕事ですよ」と言われた。この先生も、多くの方々のように議員職には関心のない方だったと思った。しかし。そのお人柄に心を打たれた

思えばこの二年間、多くの批判を受けてきた。曰く、「六甲アイランド高校は、うまくいっている」「お前の目的は、選挙か?」「ええかっこするな!」… 私は、99%の先生方はまじめで、子どものために良くやって下さっていると思っている。その生い立ちから発言してきたように、六甲アイランド高校を愛してすらおり、個性豊かな生徒を育む、立派な高校だと思っている。

しかし、この真実から、真面目で良い先生がふとした事で陥りやすい状況があるのを、知っておこうじゃないか。議員もまた、同じこと。それを知り、忘れない…それで十分なのだ、と思う。神戸新聞記事中の一言に、感謝申し上げたい。