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2019年 09月 03日 火曜日

学者らしくない学者が出て、先進医療が身近になったと感じられたのは… 神戸大学医学部医学科創立75周年・神戸病院創立150周年の記念式典・祝賀会のこと。

神戸ポートピアホテルで9月1日の日曜日に行われた式典・会には、市会議員の私もご招待をいただいた。医師会からずっとご推薦を頂いていた事もあり、親しい先生もおられるので、喜んで出席した。特に、神戸大学医学部出身でノーベル賞受賞学者の山中 伸弥博士が記念講演をなさるのを、楽しみにしていた。

存じ上げている先生もおられたのは、予想通り。いつもお世話になっている川原先生や、若いお付き合いの中村先生に、仲良しの宮地先生。そして何より、甲南病院の具 院長らとお会いできて、楽しかった。

式典では祝辞が続いたが、神戸商工会議所の家次 恒 会頭の祝辞が一番良かった。神戸の持つ医療の問題と、メディカルツーリズムや神戸空港の国際化について触れられて、神戸大学の活躍が神戸にとっていかに大切かと語られたのだ。ごますりのようなので滅多にしないが、すぐにご挨拶に行き、今後の事を考えて名刺交換の上、後日お伺いするお約束を頂戴した。

山中伸弥博士の講演は、分かりやすく面白かった。自分が何故、医学を志したのか。事故でのわずかな輸血が原因で、お父上が58才で他界されたが、その間の医療を見て、興味を持たれた。その原因が1989年に発見され、対処する薬、ハーボニーが出来るまで25年かかったという。今では、100%近くが完治するそうだ。

しかし、ここに医学界の問題があると仰る。それは、薬ができるまでの時間とコストの問題で、薬が出来た時には一錠5万5千円もした。アメリカ留学3年半の後、奈良医療先端技術大学で研究され、京都大学でiPS細胞の研究に取り組んで、ノーベル賞を受賞。神戸の再生医療は、世界のトップに立っていると語られた。

神戸の再生医療とは、眼科の高橋政代医学博士の事だ。期待していた山中博士の講演は、ユーモアを含め分かりやすく、やはり素晴らしかった。まだまだ先は長いだろうが、たゆまぬ努力には頭が下がる。神戸の医療と産業について、皆で抱く大きな夢をたしかめた一日だった。
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