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2019年 04月 16日 火曜日

「いぶし銀」のようだとは、まさにこの方のような人の事を言うのだと、つくづくそう思ったのは… ようやく選挙が終わって、報告に伺った方のこと。私は、その方から、本当に多くを学んだ。

皆様から頂いた祝いのお言葉は、本当に嬉しかった。だが一方で、私の方からどうしてもお礼と報告に行きたかった方が一人おられて、気に掛かったままだった。御年99歳になられる、藤澤福男さんだ。以前、お見舞いに伺った時には、ホームに入ってからの投票方法を気にして下さっていた。施設では投票ができないと分かり、ならばと諸々の手続きを踏まれ、ご投票下さったのだ。

4月13日には藤澤さんから頂戴したお酒を事務所に飾り、その側に当選証書を並べた写真と、澤田宮司の事務所での当選への祈祷風景の写真を持参したら、大変喜んで下さった。

約1時間、足立ボランティアも一緒で、三人で楽しく語り合った。選挙について、「良い順で当選した。トップでなく、5位ぐらいがいい。しかも、票を500票も伸ばしている。ニコニコ笑ってドンと構えて、神戸市全体の事を考える議員になって欲しい」と、励まして下さった。

東灘区の棱野前区長と金谷新区長がお見舞い下さったのが嬉しいとも仰り、私の事を忘れていないと語られた。私は、藤澤さんに、及ばずながら少しは、生きる活力をお与えできたかな、と感じた。
藤澤さんと親しく、お見舞いにもうかがわれた清家局長が中央区役所の区長になったのも喜ばれて、「良い区長になる」と繰り返された。
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さらに、長谷川元住宅都市局担当局長が神戸市中央図書館館長になった事について、「市長は、あの人にまだ勉強させるつもりか」と、笑いを取られた。

本当に上機嫌でおられ、昔話に花がさいた。私と共にした仕事、御影クラッセとだんじり広場では、当初教育委員会が動かず、1年半も放置された。二人で、当時の助役室にどなり込んだ事。その後、徳永というやる気のある課長が、一軒一軒、各議員を廻った事。その時私が徳永課長に、「他の議員には安井の悪口を言ってもいい」と耳打ちした事、等など…思い起こせば、腹のすわった課長だったと、感慨ひとしお。

御影公会堂の件では、長谷川局長が徹夜交渉をして下さった事。阪神電車バリアフリーでは、阪神電車に粘り勝って、よくぞと思える知恵を阪神電車が考え出して下さった事。その間の御影まちづくり協議会の苦労は、計り知れなかった。ある方が徹底的に足を引っ張り、二人が大変な目にあった事も。「彼だけは、葬式に来て欲しくない」と、藤澤さんがポツリ。私も同感だった。

「今や、髙嶋良平さんと鍵田武志さんにバトンタッチ出来て、安心している。二人とも素晴らしい」と目を細められた、そんな藤澤さんとお話ししていると、時間さえ忘れ、まるで戦友と語っているように感じていた。99才の今でも、バランスのある話しができる。今後、こんな男が出るだろうか。

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御影公会堂の杉本副館長が気配りされている事にも、喜んでおられた。最後に「安井さん、お金は使えるうちに使いなさい。私は、この狭い部屋での毎日だ」と仰った。足立が「藤澤さん、誕生日会とお祝いに、富士屋に行こうよ」と言うと、「自分では食べられない」。「私が食べさせてあげる」と言う足立に、「恥ずかしい」と答える。「仲間ばかりだし、富士屋も皆待っているよ」と言うと、「この施設では、お金を持たせておらえない」とお金の心配をされる。「そんな事は、息子さんがちゃんとして下さるから大丈夫」と励ます。

藤澤さんは、足立を娘のように思ってくださっている。また来ると言って場を辞したが、帰路、あの部屋から一度でもいいから、出て下さればいいのだけれど、と二人で涙したの。ご友人・知人の皆さんには、時には見舞いに行ってさしあげていただきたい。