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2019年 01月 22日 火曜日

亡き鴻池参議院議員に申し訳ないことに、地元東灘区の中勝寺で18日午後3時からだった葬儀に… 出るには出たが、ドタバタ。しんみりする暇もないそれは、高齢者への銀行の対応のせいだった。

JR住吉駅で1時から、恒例の市政報告をしていた私に、友人のMさんが「ある金融機関でお金がおろせなくて、警察が2人も来ているので助けて欲しい」と言っていると、Aボランティアを通じてSOSが届いた。

すぐMさんの携帯に電話すると、警察官に代わり、あれこれと説明された。要するに、警察官はMさんを疑っている訳ではなく、振り込め詐欺の防止の為に、確認に来ただけらしい。

でも、本人は警察官が金融機関に来た事で、身に覚えもないのに、何か不正でも疑われたのかと、怒り、ショックを受けてもいる。日頃は物静かな76歳が、なぜ … 腑に落ちない点もあったので、Mさんの人柄と身分を保証し、なぜそうなったのかを知るべく、道中、かわいそうにあんないい人がビックリしているだろうと思いながら、その金融機関に向かった。

到着後、応接室で話を聞いて、65歳以上の人が300万円以上を現金で引き出す時に、行員にその使用目的をはっきりと説明できない場合は、警察を呼ぶ事になっていると分かった。当初の説明では、使途が不明だったり、おかしかったりとは説明されず、本人は、自分のお金がなぜ出せないのか、自分が何か悪い事をしたのかと思ったらしい。不運にも、長男にも連絡が取れなかった。Mさんは自営業で、従業員の給料の為と言ったのだが…と繰り返す。

行員も警察も同じ、Mさんを守る為の善意であり、一方の私も同じ善意なのだが、なぜそうなるのだろう。1つには、行員がどのような言い方で内容を聞いたか、だ。そして、その行員は警察を呼ぶ前に、何か確かめようとしていたのか。警察さえ呼べば、事が終わると考えられてはいなかったか。

警察を呼ばれたMさんは実際、怒りとショックを受けているし、一方で警察官は、呼ばれれば行くしかないし、呼んで下さいと金融機関にお願いしてもいる。詰まるところ、もっとしっかりとしたマニュアル作りが必要なのではないだろうか。

「兵庫県下でも、どれほど被害者が多いと思っているのか」といった声があるのも分かってはいるが、時間内にお金が出せないと大変な事になりかねない、生きるか死ぬかの時間に追われる中小企業者もいる。悪いのは詐欺グループで、真面目な人が迷惑しているのだ。実際、電話を受けただけのAボランティアは「警察官に、住所まで聞かれた」と嘆く。銀行で引き出すそのために、何人もの警察官が苦労し、多くの予算が費やされる。

何か、いい方法はないものか。ただ、Aボランティアはある銀行に勤めていただけに、「五・十日は給料日などでお金が動くし、お得意さんの事は、顔も名前も知っておくなど、少しの努力で確認がとれ、スムーズに行ったのでは…」と、ニコリ。

私はMさんを慰めてから、金融機関の前で喪服に着替え、葬儀場の寺に飛び込んだ。けれど、受付して貰えず、やむなくそのまま出席したのだった。