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2018年 12月 04日 火曜日

自分で言うのは恥ずかしいが、先に作られた政令市の5市に比べ、かなりのものになっていると自負しているのは… 児童虐待防止条例のこと。

あれは、初当選した後の、1979年11月。決して思想的な意図でなく、社会的弱者やDVや障害者のために発言され、人間として人の道として訴えて来られている、友人の田中 幹夫弁護士から、当時、神戸に児童虐待防止条例をつくったらどうかとの助言を得た。

「神戸のイメージが良くなる」と勧められてからというもの、私は研究を重ね、何冊も本を読んだ。議会でも委員会でも訴え、条例をつくろうとした。だが、結果は出なかった。

田中弁護士とは、麻雀や飲食の付き合い。彼の知恵をタダで使う私は、彼にとれば悪友の一人にすぎなかった。だが、彼は神戸を思い、子供を思って進言してくれていた。ある時は彼に頼み、二人で矢田立郎前市長に直訴した。だが、いつものように「現行法で守り得る」の一辺倒で、ダメだった。

そんな田中弁護士の進言からすでに40年近くを経た今、多くの子供が虐待にあい、死に至っている。一方、他の各政令市では虐待防止条例ができ、実績をあげている。

私は、自分のライフワークの一つがまだ出来ていないのかと、愕然としていた。そこで、せめて会派で勉強会をつくって議員提案したいと申し出た。そんな時、公明党にも同じ意見があったようで、我が会派の安達団長との話した結果、私を座長とした検討会が出来た。安達団長には心から感謝したいし、久元喜造市長の判断にも、敬意を表したい。

どうあろうとも、予算無くしてはコトは出来ないし、実績もあがらない。事務局は、相当な勉強をされていた公明の北川道夫元議長が務めて下さり、検討会を上手くまとめられた。立派な議員である。我が会派からは、政策通の平井真千子議員に岡田ゆうじ議員、吉田健吾議員と、エースが入って下さった。

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かくて、深い議論の結果、19条からなる条例案が作成され、11月28日10時からの本会議を迎えたのだった。北川議員に、先に立っての議員提案をお願いした。私は2番手で、主旨説明を述べた後、こう訴えた。

「私たちは、今回の条例制定を契機として、こどもへの「虐待」を全ての神戸市民が再認識し、地域や関係機関、全ての神戸市民が一体となって、こどもたちを「虐待」から守れる仕組みを造りあげていくことを目指します」

私は全会派で提案すればと思っていたが、諸々あって叶わなかった。それでも、事前に議会仲間にはお知らせできた、それがせめてもの救いで嬉しかった。

この本会議は、私にとって感慨深い本会議となった。末筆ながら、こども家庭局に市会事務局、そして、私のために個人的に御指導下さった姫路獨協大学の道谷 卓副学長と、市課長で医師の谷畑健生氏に、心からお礼申し上げたい。

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