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2018年 11月 30日 金曜日

私の仕事での喜びはといえば、良い人との出会いなのだが、得てして、そんな良い人は地位も名誉も、富にも… 縁が薄い。だが、他の人より少しだけ優しく温かく、良い家族を持っているものだ。

応援のために朝一番に行き、8時30分に神戸市立本山第二小学校の校庭で皆様をお迎えしたのは、11月25日のこと。ふれあいのまちづくり協議会の呼び掛けで、地域の老人会や婦人会等、百人ほどの方々がグラウンドゴルフを楽しまれたのだ。

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そこで、旧友の黒田朋弘さんと祖父御など、40年来の友人たちが、「安井さん、見てよ」と言う。見ると、校庭のウサギ小屋の掃除をしている。エサのレタスもやって、一匹一匹をなでては、拭きながら声を掛けていた。

全部で、4羽。私は、思わず嬉しくなった。向こう気が強く、どちらかと言うと気性の激しい彼が、こんなやさしさを持っていたのを目の当たりにしたからだ。彼は、24年前の大震災の時、地元の野寄公園で自衛隊と組み、避難民の為にドラム缶風呂をつくったり、食事をつくるなど、一生懸命働いていた。

自衛隊員も彼を信頼し、何かと相談をしていた。今も、その関係は続いている。良い男なのだ。

そう言えば、彼の父親は長く消防団長として活躍し、感謝状を貰うなどしておられた。兄は、有名な格闘家でもある。我々は、黒ちゃんと呼んでいる。

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「何故うさぎの世話をするの?」と聞いてみた。8年前、弱った子ウサギが蟻の集団に襲われ、真っ黒になっていた。黒ちゃんが助けようにも小屋の鍵がなく、子ウサギを助けられなかった。彼は学校に、ウサギの世話をさせてもらえるように、頼んだのだという。それ以来、8年。平成13年の8月15日から毎朝・夕に、世話してきた。朝は、世話をしてから出勤。帰って来たら、また世話をする日々。

「近所のイカリスーパーがレタスの残りを下さって、ありがたい」と、微笑む彼。「このウサギを見て、子供たちが喜んでくれて、命を感じ、人間と同じ大切な命があると、それを知ったらええんや」と、乱暴に言い放つが、温かさと男らしさが感じられる。

私がウサギに「幸せか」と聞くと、耳を2〜3回ピクリとさせていた。うさぎも、喜んで彼を受け入れているのだろう。機会があれば、学校の許しを得て、見に行ってみて欲しい。
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