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2018年 11月 09日 金曜日

実に良い、誇るべきものが御影にあるのだと、私は、自ら区役所に行って… 国から送られてきた登録証を手しながら実感していた。それは、区役所の総務課から入った、うれしい報告を受けてのこと。

神戸市が国の文化審議会に、御影公会堂を国登録有形文化財として認めるよう申請していた。平成30年3月9日に、文化審議会が、文化財分科会の審議・議決を経て,新たに196件の建造物を登録するよう文部科学大臣に答申。11月5日の報は、それが通って官報に載り、銘板が届いたとの知らせだった。これで、御影公会堂は国登録有形文化財となった。

同公会堂は、昭和8年頃に白鶴醸造の嘉納治兵衛氏が寄附し、東大卒で神戸市技師だった清水栄二氏が設計。大林組の施工で落成したものだ。

「国土の歴史的景観に寄与しているものとされ、モダニズムを基調に多様な造形表現を取り込みながら、全体を巧みにまとめており、様々な用途で活用され、地域に親しまれて来た独創的な意匠の文化施設となっている」というのが、選定の理由だという。

この、国への申請は市長の指示。市長は、御影公会堂を愛している。認定によって外観は変更しにくくなるが、修理・設計・管理費の1/2は国が負担してくれる。国登録有形文化財は文化財としての登竜門で、これから歳月を経て価値が評価されれば、国の重要文化財となるのも、夢ではない。

建築物での登録有形文化財は市内に92件あるが、皆が実際に運用し活用している、生きた「公会堂」であるということも、私の喜びを一層大きくした。登録証を脇に見ながら銘板を手にすると、ずっしり重たく、その価値に喜びがまた、湧き出てきたのだった。
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