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2018年 09月 26日 水曜日

たった一回のミスで、神戸市は大切なものを失おうとしている。それは… 神戸市選挙管理委員会から出された、選挙公報についての「配布方法の見直し(案)方針」にまつわる。

実は、とある婦人会の会員さんから相談を頂いた。平成29年執行の衆議員総選挙・市長選挙において、神戸市シルバー人材センターが配布業務を担っていた須磨区妙法寺の約610世帯には、台風のために選挙公報が配布されなかった。この件については議会でも問題になって、私もとりあげたが、その結果出てきたのが、この五項目の、「配布方法の見直し(案)方針」だ。

項目の1から4は、理解できる内容だった。だが、5項目目で「未達による選挙無効・再選挙となった場合の責任分担(損害賠償規約)等が必要であり、実質的に、上記実施条件の遂行を一般の個人や地域団体に求めるのは、困難である。全市統一的に、履行条件を遂行できる事業者へ業務委託する方向で見直しを進めて行く」としたのは、いかがなものか。

と、いうのも、実は、この地域団体にはおそらく、婦人会が含まれるからだ。その婦人会の会員は、「今まで私達に過失はなかったのに、シルバー人材センターの失敗のツケを、婦人会に廻している」「高齢者や婦人会が体力的に心配で、プロにやらせておけば選管は安心できるという、安易な責任転嫁が見える。もともとは、選管の指導不足ではなかったのか」と訴えられた。

そこで私は、担当課長に「今まで市行政を助けて下さり、市を支えて下さった婦人会との信頼関係はどうするのか。今までミスもなくやってきて下さった婦人会を切るのはおかしいし、何らかの知恵を出すなど、工夫して信頼関係を保持する努力もしていないのも、おかしい」と指摘した。だが、これに対する的確な答弁はなかった。

信頼関係を保つために、先輩はあらゆる努力をして来た。違法な事でない限り、日本に誇る神戸婦人会は行政のオピニオンリーダーの一つであり、その組織は、常に内部精査し学習を続け、人間関係を結び団結している、企業以上にしっかりとした団体である。それでもまだ心配なら、婦人会にお願いする配布物は余裕を持ってお願いするとか、年齢制限するとか、各区の選管の自由にするなど、方法はあるだろう。今回の事で切りすてるまでの間、何らかの検討をしたのか。

そうした、信頼関係を守るための努力と工夫が見られないことからして、選管の身の安全だけを計ったのではないか。

私は、プロの方が心配だ。かつて、何人の議員の配布物が届かなかったことか。大阪市が同じようにしているからといって、神戸は疑問をはさまず見習うのか。大阪に、神戸のような婦人会あっての事なのか。神戸の伝統を守るための、努力と工夫はないのか。

私は、婦人会を応援する。課長は、ある議員が本会議で「プロに頼むのもいい」と提案されたと反論する。だが、私も調べたが、婦人会を切れとは言っていない。選管が、ここまで何の工夫も配慮もせずにただ責任を転嫁するなら、もしもの時の選管自らの進退も、同次元で考えるべきだ。信頼関係たるもの、築くには幾年、数十年もかかるのに、崩れるのは一瞬なのである。