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2018年 09月 10日 月曜日

その被害のひどさに、驚くよりもむしろ、申し訳ないと思ったのは… 私には緑の深い大切な場所、元は材木団地といわれていた場所のことだ。

21号台風が通り過ぎた後の、9月6日。自動車整備組合の咲山さんから、組合員のA社が21号台風で海水が会社入口に浸入して甚大な損害が出ているので相談に乗って欲しいと、ご連絡を頂いた。

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議会での仕事を終え、夕刻、5時20分頃に、東灘区魚崎南町3丁目あたりを訪ね、8〜9軒の会社を、一軒一軒まわった。それらは材木商から、主に自動車整備や建築関係の会社に変わっていた。各社、黙々と社内の後片付けや整理にあたっておられ、声を掛けるのも申し訳ない程。

いろいろ聞いてみたところ、そこは、南の第三工区の3mの防波堤と、北側県道をはさんで4m弱の民家を守る防潮堤に囲まれた、言わばバケツの底のようになっていて、そこと第三工区の運河の海水が浸入して、なんと、トラックのフロントガラスのあたりまで浸ったそうで、恐怖で一杯だったと語られた。

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「トラックのこのあたりまで水が」と仰る
そのため、預かっている車はもとより、機械類も水没して、大変な損害である。ある会社では、たくさんの高級外車が水につかってしまった。ある御婦人からは「また、すぐ台風が来るのに、どうすればいいのですか。せめて50cmでも、市で堤防を早く上げて下さい」と訴えられた。

各社から連絡用にと名刺を頂いたが、大半がびしょ濡れで、砂がついていた。人々は、あまりにも良い方ばかりだった。私は、家でその名刺を乾かしながら、お顔を思い出し、胸がつまってしまった。

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翌日早速、担当のみなと総局海岸防災部海岸防災部長と話した。情報の調査と、今後の方針や、何らかの補償についてだった。そこで驚いたのだが、部長は申し訳なさそうに、「この地区は防潮堤の外側で防潮堤が無い場所であって、運河沿いは、言わば岸壁で、川で言うなら河川敷のようなものなのです」と言って、地図で防潮堤外の細長い地域を示された。「従って、ここで営業する方は、そのような場所なので、自己費用で防潮堤も築いてもらわねばなりません。土地を購入したり借りたりする時は、重要案件として承知されているはずですので、補償は困難です」との答えだった。

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それに対して、私は「この地は市街化区域で、市が、『人が居住し、営業所を持つことができる』と指定している地区で、ガス・水道・電気・下水も敷いており、安全を守る義務がある」と主張した。

部長は、気の毒そうに「しかしながら、臨港地区で、海と関連のある営業所など、原則として、人が住む所ではないのです」と答える。そこで私は、「二度とこのようにならないために、仮に防御のための防潮堤をつくると皆さんが考えるなら、市は、何がしかの補助ができるのか」と質してみた。すると、「絶対とは言えないが、条件が整えば、前向きに考えていきたい」との答えだった。

そこで、同じ運命共同体の人々が、この際話し合って、南側に防潮堤を造ってはどうかと考えている。先ずは、皆さんと神戸市を交えて、会議を持ちたいと思うが、如何だろうか。
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浮かんでいた流されたコンテナが、痛々しく放置されていた