条例をつくりたいと活動を続けて来たが、当局は現行法で十分守れるとの主張の一点張り。しかしながら、皆さんご存じの通り実際には、子どもたちは虐待され続け、時には死にいたりもした。虐待の相談や通報は年々増加し、今年度は最高数になっている。
そんな現実を背景に、与党議員から「議員立法で、『(仮称)子どもを虐待から守る条例(案)』をつくろう」と声が上がり、私が座長として、検討会(勉強会)を開いた。
8月7日(火)10時からの初回には、与党議員から約30人程、当局からは、関係する局も含めて50人程がお集まり下さった。講演を聞いた後には質疑応答もあり、勉強会は活発に行われた。
長谷川京子弁護士は、この分野でのながい経験から、現在の実態をお教え下さり、虐待に遭う児童はDVの家庭に多く関連している事や、いつでも、誰でも、どこででも、児童虐待は起こる ── 特に、ストレスとの関係も大いにある事。その対応には、人材の育成・増強と予算の増額などが求められる…等など、良い勉強になった。大久保 真紀 著の朝日新書「ルポ 児童相談所」(ISBN9784022730930)もお薦めいただいたので、是非読もうと思っている。
道谷 卓教授は、児童虐待は刑法上の犯罪に該当するとして、「ここまで来れば、条例に直接採り入れられないとしても、抑制効果も考えてみてはどうか。例えば、ドイツは、刑法で虐待を扱っている部分もある」とお話し下さった。
実に意義深い2時間で、またたく間に時が過ぎた。だが、我々がこうして日時を費やす間にも、苦しんでいる子供がいる。しっかりと現実を認識し、何らかの結果に導きたいと思っている。