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2018年 05月 02日 水曜日

垂水区の、「女子中学生の自死事案にかかるメモ等の存在について」を議題とした文教こども委員会があったのは… 4月27日午前10時からだった。垂水区の女子中学生が、自死したのだが、教育委員会からの報告による、それにまつわる重要なメモが問題だった。

その葬儀の後、教室に怖くて入れない等と訴える6人の生徒から教職員が話を聞き、いじめの概要を聞いた。この自死に対する調査をした第三者委員会は、メモは破棄されて無いとしていたが、その大切なメモがあったと発表されたので、まるで防衛庁の日報問題のようになってしまったのだ。

これについて久元市長は、26日、遺族にお詫びをし、新たに中立なチームを組んで調査すると告げた。私は、この処置は良かったと評価している。

だが、委員会では、「メモは、意識的に隠ぺいされたのではないか」と責める議員と、「そうではなく、うっかりミスである」とする当局とのやり取りが続いた。私は、各議員がよく調査し、それぞれの角度から質問されていて、嬉しかった。何も上から目線で言っているのではなく、議会人の怒りが出たものだと思ったのだ。

私は、久しぶりにこの文教こども委員会の委員に就いた。半年前、小林議員と我が党の岡田議員から、遺族に寄り添った調査をすべきだと問題提起がなされていたが、当局は、おざなりな答弁だった。私には、何の話か分からなかった。垂水で自死があって、市は第三者委員会で調査しているとは新聞で知っていたが、この件について当局から議会への報告が一切なかったからだ。

理由を聞くと、個人情報が多くあって、遺族と関係方面の承諾が得られなかったのが理由だと主張された。そこで私は、「何も、どの生徒がいじめたとか、どの教師がどうしたかなどと聞いているのではない。現在の調査の方向や、学校の対応、日程の報告など、できる範囲でやるべきで、我々が、メディアを通じてしか状況が分からないのでは、困る」と主張した。

委員会としては、正副委員長が当時の雪村教育長を呼んで、委員会に対し、真摯に向かうよう申し入れた。その結果、情報公開条例と同じ範囲内で、委員にはぶ厚い第三者委員会の報告書が配られたが、半分以上が黒塗りだった。それを懸命かつ丹念に読んだ私は、失望した。報告書では、いじめがあったと認定している。また、自死した女子中学生がSOSを発信していた事も認めている。だが、いじめの認識が薄く、学校も教育委員会もやむを得なかったとしているのだ。

さらに酷いのは、葬儀の後、教室に入るのが怖いと訴えた6人の生徒の話したメモの再発見だった。総合的に見る限り、隠ぺいする意識は無くとも、出したくないという意識が働いたのではないかと思えた。

ここで重要な事は、もし、この1年半もの間に、議会に出来る範囲で報告して貰っておけば、方向が違っていたのではないかという点だ。常任委員会では、前教育長の雪村氏と前校長を参考人として呼ぼうという意見が出ていたが、私は反対だ。議会の調査権は、慎重に使うべきであり、それは、こども家庭局の指揮する二次調査委員会の結果を見てからでも良い。さらに私は、第2次調査委員会に警察も入れるべきだと思っている。

兵庫県警のいじめ研究もしっかりしているから、一次と違う角度からの調査も必要だと考えての事だ。久元市長に会って、「市長、良い判断でした」と言うと、「迷っていたのですが、メモの件で踏ん切りました」と答えられた。真相を明らかにするのみでなく、それを今後に活かして欲しい。たとえどんなに苦悩が深くとも、避けてはならない。
写真 文教こども委員会で