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2017年 12月 05日 火曜日

徳島の方々は、南海トラフの最先端という位置づけの中で、懸命に戦っておられるのだ ─ そう感じたのは… 久しぶりの、「人と防災未来センター」の語り部ボランティアでのこと。周りの語り部さんに「久元市長おめでとう」と仰っていただき、嬉しく語り部を務めた日だ。

私が担当したのは、徳島県立那賀高等学校の生徒15名と、先生方5名、総勢20人の皆さん。多忙な私にとって、あらかじめ足立ボランティアが学校について調査して下さっているのが、大変に助かっている。校風だとか、全校生220人で那賀川の側だといったことを念頭に、いつものように、「防災の基本はコミュニティーで、町内会や祭りを大切にすること」等についてお話ししたのだが、いつもと違って熱心に聞いて下さっていた気がした。

不思議に思って聞いてみると、防災クラブの部員で、学校内で防災についての活動を続けておられるという。例えば、部員が防災対応を指導したり、訓練をするなど、研究しているのだそうで、私が学びたい程だった。

やはり、徳島県の高校だから、南海トラフに備えてだろうか。引率の先生に、「全国的に、そんなクラブ活動はありますか?」とお尋ねすると「全国では、どうでしょう。でも、徳島県では県知事の意向で、県立高校はクラブ活動を思い思いにしています」と、同校の谷本晃成教頭がお教え下さった。
「クラブ員の中には、救命士や災害指導者等、大人に混じって様々な資格を研究をしている生徒もいます。また、学校は地域版カロリーメイトやオロナミンCといった災害用備品を入学時に用意して、学校が避難所として活用できるよう備えています。有効期限がありますから、卒業時にそれらを渡します」
と、胸を張って仰った。

私は、嬉しかったし、感心させられた。ある時は、部員が各学校から集めた布でリュックをつくり、防災グッズを詰め込んだ。この部員の皆が町の防災の要となって、防災意識を高めている。徳島県知事の、お金もかからない賢い施策だと思い、「神戸市も勉強させていただきますよ」と、お礼を申し上げた。

15人の生徒たちは、本当に熱心に学んでいた。もし22年前の神戸の市民に、地震についてその1/10の心構えと備えがあれば、6,425人も死なずに済んだかも知れない … そんな思いに、那賀高等学校 防災クラブの皆さんが光り輝いて見えたのだった。

写真
▲ 人と防災未来センターで、久々に語り部