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2017年 04月 22日 土曜日

きっと生徒達は寝込むだろうと思っていた、今日の、人と防災未来センターでの語り部ボランティア。修学旅行の最終日というのに、皆が元気でイキイキしているのが… 不思議だった。が、校長先生のお話しをうかがって、合点が行った。

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元気に語り部ボランティアに出かけたのだけど…
今日ご来館下さっていたのは、愛媛県八幡浜市立八代中学校の、三年生84名。

いつも事前に、講話対象の学校や団体を足立ボランティアがインターネットで調べてくれる。これは、ちょっとしたことでも、大変役に立つ。今日も、「昨日のユニバーサルスタジオは、楽しまれましたか」と知っている情報を話したところ、身近さを感じて貰えるらしく、緊張が解けた。

最終日の上に、昨日の遊び。これは、半分以上は寝るだろうな、と思っていた。ところが、寝る生徒さんは一人もおられず、私の拙い話を熱心に聞いて下さった。礼儀正しく、さわやかな生徒さんたちだった。

私はいつものように、命の大切さや、人の絆、家族愛に仲間の愛、祭と町内会、そしてボランティア等など、いわゆるコミュニティが防災につながると、例を上げて語った。40分の講話の終わると、女子生徒さんが代表してお礼の言葉を述べてくださった。私の話を上手にまとめた良い謝辞で、頭の良い生徒だと思った。

帰りしな、先生から「なぜ、祭が防災に役立つのですか」と尋ねられた。私は、「ダンジリが仲間を作り、情報を得られますね … 例えば、私の救援隊がすぐできたのは、皆がダンジリ仲間だったからです。それに、この家は何人家族だといったような情報も、得られました」と、具体的にお話しした。

校長先生も、挨拶に来てくださった。見るからに素朴で、飾り気もなく、教育者としての自信と誇りを感じさせる方だった。その、校長先生の言葉で分かったのが、生徒さんがたが寝なかった理由。「3泊4日の旅程の中、子供達の睡眠と食事に注意して、毎食の食事の量をチェックしています。特に朝食が大切なんです」と笑って話されたのだ。校長自ら行動し見守っておられる。

ご立派だと感服した私は、つい、「なぜ、神戸はここだけなのですか」とお尋ねした。すると、「ここに来て、学ばせないといけないと思い…」と答えられた。神戸にはもっと見るところがあるのにと思っていたのだが、完全に一本取られた。海辺にある中学校の校長として、必要な教育だと認識しておられたのである。まさに、私のやっているボランティアは、その為なのだと、改めて気づかされた。

ただ、一方では、神戸観光議員連盟の議員として残念にも思ったのだが…これは、大きな宿題となった。防災教育の神戸は、無論大事だ。だが、嘉納治五郎や、ロシア人やユダヤ人の難民との歴史だってある。日系移民についてもそうだし、灘五郷の日本酒にまつわる諸々も、農業系の学生には貴重だろう。次代に知っておいて欲しい神戸にまつわることは決して少なくないと、そう思うのである。