みなと総局の審議で、私は、神戸港発、または神戸港を基点とした「瀬戸内クルーズ」の可能性について聞いてみた。
以前に当局から受けていた説明では、
- 瀬戸内海は、海苔の養殖や魚の養殖場がたくさんある上に、大橋や瀬戸内法など、規制もたくさんあること。
- 外国籍船では、比較的高価になる水先案内人等が理由であって、経済的に安定しない。
- クルーズ専用でやる船や船会社が見当たらない。
- すでにやっている
等の理由で、大変難しいとのことだった。
私は、本当にそうなのか、ずっとひっかかっていた。クルーズの内容についても常任委員会で尋ねてみたかったので、
「以前のレクチャーでは否定的だったが、他の大阪、岡山、広島、北九州が大々的にやるようになると、瀬戸内海の入口である神戸としては無念なことだ。何か見解はないか?」と尋ねた。吉井局長は、
「いろいろあるが、努力してみる価値はある。検討するのは、必要なことだと考えている」と前向きな答弁をしてくれた。
加えて、よく調べておられる高岸議員が「可能性があるなら、外国船の二隻ではないか」とたたみかけると、局長も「その通りです」と答えた。ずっと以前から瀬戸内クルーズの推進論者で、よく研究しておられる岩田議員の「瀬戸内クルーズをやるとするなら、客船が必要だ。造船もいいが、中古船を利用してはどうか」という提案には、局長も「よく研究します」と答えていた。
松本のり子議員からは、「瀬戸内クルーズの魅力について、もっとPRしてはどうか」という提案があった。局長も「よくPRに勤めます」と答えるなど、いずれも前向きな発言だった。
私は、「絶対に実現して下さいと主張しているのではない。当局と議会で、可能性について共に研究・学習しよう。それが、神戸港を抱く神戸のありようではないかと思っている」と発言した。
司馬遼太郎の茶の花の沖の一節に、「訳しり物しりには進歩はない」というのがある。つまり、初めからダメと考えず、一度は考えてみてはどうか、ということだ。今回私は、当局から資料が出て来た後で、与野党共に研究してはどうか、と申し上げたのだ。
みなと総局は、空港問題、開港150周年と、局の中でも最多忙。重要な時期でもあるので、申し訳ないとも思うが、例えゆっくりであっても、当局と議会が共に歩む、その第一歩となるよう願っている。
参考資料 瀬戸内クルーズ実施数
平成26年 | 平成27年 | 平成28年 | 平成29年* | |
---|---|---|---|---|
外国船籍 | 7 | 10 | 7 | 9 |
日本船籍 | 22 | 23 | 24 | 1 |
合計 | 29 | 33 | 31 | 10 |
*平成29年は8月末時点の予定